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国交省、「マンション標準管理規約」の改正案示す

 国土交通省は24日、「マンション標準管理規約」の改正案およびコメント改正案を発表。意見募集(パブリックコメント)を開始した。2010年8月に設置された「マンション標準管理規約見直しに関する検討会」(委員長:鎌野邦樹早稲田大学大学院教授)で検討が進められてきたもの。

 同規約は1982年、管理組合が各マンションの実態に応じて管理規約を制定・変更する際の指針として、建設省時代に「中高層共同住宅標準管理規約」として作成され、マンション管理業に係る環境変化に合わせ改正されてきた。今回の改正は、04年以来3度目となる。

 改正案では、区分所有者の高齢化や賃貸化、管理の無関心化などで役員のなり手を確保するのが難しくなっている現状から、役員の資格要件の緩和(居住要件の緩和と、組合員の配偶者等に限り、総会の承認を経て、役員の業務を当該組合員に代わって行なわせることができる)を盛り込んだ。また、個々のマンションの実態に応じて機動的な組合運営を行う観点から、「総会決議事項である共用部分の軽微変更や狭義の管理行為のうち特定の事項について、理事会の決議事項として規約に定めることも可能である」ことを記載するなど、理事会の権限の明確化などが盛り込まれた。

 また、「賛否の記載のない議決権行使書」を「賛否いずれかの意思表示がされていると考える(一律賛成など)ことは困難である」と記載すべきとしたほか、白紙委任状の取扱いや区分所有者の委任を受け議決権を行使する代理人の範囲の拡大・手続きの明確化にも言及。長期修繕計画の作成・見直しについては、08年策定の「長期修繕計画作成ガイドライン」を参考に行なうこと、修繕積立金の設定・見直しについても、積み立て方式と積立金見直しの必要性、見直しの際は専門家活用を考慮することなどを盛り込んでいる。

 なお改正案は、同省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/report/press/house06_hh_000057.html)で確認が可能。パブリックコメントは、11年1月28日まで受け付け、寄せられた意見を反映し、最終的な改正案を10年度中にまとめる。


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