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宅建業者のコンサル機能向上や住宅性能情報の在り方、提供方法など議論/不動産流通市場活性化フォーラム

 国土交通省の第4回「不動産流通市場活性化フォーラム」(座長:日本大学経済学部教授・中川雅之氏)が、1日に開かれた。

 今回のフォーラムでは、宅建業者の総合コンサルティング機能の向上、不動産流通市場を活性化するために必要な情報と、その提供の方向性などについて、現場実務者の意見をヒアリングした上で議論した。

 (社)全国宅地建物取引業協会連合会専務理事の市川宣克氏は、主任者資格を持たない不動産従業者も含めた仲介業者従事者の資質向上のため、これら従業者向けの実務研修教育制度を構築すべきとし、それらを評価するための登録制度を提案した。
 (株)LIXIL営業カンパニーTHリフォーム推進統括部長の小島則和氏は、中古戸建購入者アンケート結果から、「宅建業者のコンサルティング機能に求められる項目」としてインスペクション、リフォーム情報、土地地盤情報などを挙げ、それらをワンストップで提供できる機能の構築を提案した。
 一般社団法人日本エネルギーパス協会理事の今泉太爾氏は、既存ストックの性能向上のため、消費者が住宅の省エネルギー性能を比較検討できる指標(エネルギーパス)を導入。省エネルギー性に優れた住宅に対し補助金を出すなどしてストックの質向上と、流通性の促進を図るべきとした。 
 
 その後、これらの提言について、委員から意見を求めた。各委員からは「情報提供にあたって、専門家がどこまで関与すべきなのか」「消費者への情報提供にあたっては、関係者ができるだけ少ないほうがトラブルにならないのでは」「情報提供のルールは、日本だけのものとせず、多岐にわたる情報が提供される米国のようにグローバルスタンダードにすべき」などの意見が出された。 

 なお第5回フォーラムは、4月に実施する予定。流通を契機にしたリフォーム実施手法、不動産流通活性化のための金融支援などについて議論した上で、過去の議論と課題を整理する。


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