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平成27年地価公示、全国で住宅地の下落率が縮小傾向に

 国土交通省は18日、「平成27年地価公示」を発表した。調査地点は全国2万3,380地点。うち、東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示区域内の17地点については調査を休止した。

 平成26年1月以降1年間の地価変動率は、住宅地が全国平均で0.4%下落(前年0.6%下落)、商業地が変化なし(同0.5%下落)。住宅地は下落率が縮小し、商業地は横ばいに転じた。三大都市圏では、住宅地・商業地ともに上昇を継続。
 
 低金利および住宅ローン減税等の施策による住宅需要の下支えや、株価上昇による資産効果、相続対策による共同住宅等への需要等もあり、住宅地・商業地ともに、全都道府県での下落率縮小や上昇の継続がみられた。三大都市圏(東京・大阪・名古屋圏)では、住宅地・商業地ともに上昇を継続。地方圏平均では、住宅地・商業地ともに下落率が縮小した。

 都道府県地価調査との共通地点1,605地点半年ごとの地価動向をみると、全国では年前半・後半ともに上昇。三大都市圏の住宅地・商業地も、年前半・後半とも上昇した。一方、地方圏は、住宅地が横ばい、商業地が年前半・後半とも下落となった。

 調査地点を上昇・横ばい・下落別にみると、住宅地は上昇5,081地点(同4,880地点)、横ばい3,104地点(同2,581地点)、下落8,093地点(同8,820地点)。商業地は上昇2,288地点(同2,084地点)、横ばい963地点(同771地点)、下落2,600地点(同2,978地点)。いずれも「上昇」が増え「下落」が減少するなど、地価の改善傾向が顕著となった。

 上昇地点数の割合は、三大都市圏では住宅地の5割弱の地点が上昇、商業地の7割弱の地点が上昇。一方、地方圏では、住宅地・商業地ともに上昇地点および横ばい地点は増加しているが、依然として7割弱の地点が下落という結果になった。

 今回、最も上昇した住宅地は、広島県広島市東区広島東-7の9.8%。広島駅前(新幹線口)の土地区画整理地内の大型商業施設等の開業により生活利便性が向上、ビジネス街化も進んでいることから、住宅地・商業地ともに地価が上昇。商業地は、石川県金沢市金沢5-13で17.1%の上昇、北陸新幹線開業によるホテル・分譲マンション・商業施設等の建設が進み地価が上昇している。


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