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住生活基本計画見直し、既存住宅ストック軸に新たな住宅政策展開/国交省

 国土交通省は22日、37回目となる「社会資本整備審議会住宅宅地分科会」を開催。2016年3月をめどに5年ぶりの見直しを行なう住生活基本計画(全国計画)について、見直しの方向性について議論した。

 同省は、同計画の見直しについて、社会経済情勢の変化による新たな「人の住まい方」へのニーズに対しての「住まいのあり方」と「居住環境のあり方」を実現するための目標を(1)良質な住宅ストックの形成および将来世代への継承、(2)ライフスタイルやライフステージに応じた多様な居住ニーズの実現、(3)住宅の確保に特に配慮を擁する者の居住の安定の確保、(4)良好な居住環境の形成による地域の活の向上と豊かなコミュニティの形成、とした。

 その上で、(1)については、適切な維持管理、リフォーム・リノベーションによる質の向上、不良な住宅の除却の促進など、「住宅ストックのマネジメントシステムの確立」、(2)については既存ストックの有効活用や賃貸住宅市場の確立、住生活関連サービスの充実など、既存住宅ストックを軸にした新たな住宅政策を打ち出していく方針を示した。

 この方向性について、参加した各委員からは「具体的な目標を達成するのも大事だが、ストックのマッチングの確率を上げるためのマネジメントの進捗を図るモノサシとして考えるべき」「個人の住まいに政策がどこまで関与すべきかという問題はあるが、マクロの新規供給については政策が関与すべき」「各テーマについては、都市部と地方部に分けて整理したほうがいい」「住宅の価値を維持するためにも、賃貸住宅にも大規模修繕積立制度を導入してほしい」「個人の住宅にもマネジメントが必要だということをどうやって周知させていくかが重要」などの意見が出された。

 次回会合は、6月23日に開催。さらに具体的な目標設定について議論を行なう予定。


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