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首都圏ワンルームマンション、新築・中古ともに利回り悪化/東京カンテイ調査

 (株)東京カンテイは29日、2015年の首都圏投資用ワンルームマンション市場の調査データを発表した。

 新築ワンルームの供給戸数が、15年1~9月で4,035戸だったことから、通年で7,000戸前後になると見込み、4年連続の7,000戸超えとなる可能性も示唆した。設備・仕様の向上や専有面積の拡大、地価・建築コストの上昇などにより、戸当たりの平均価格は2,642万円(前期通年比2.7%上昇)となり、3年連続で上昇した。
 平均賃料は戸当たり8万7,106円(同2.0%上昇)、1坪当たりに換算すると1万1,821円(同0.8%上昇)。平均表面利回りは3.96%(同0.03ポイント低下)と2年連続で3%台の低水準となった。

 中古ワンルームの取引量は、1~9月で3万6,127件。12年に年間7万4,752件となって以降は減少傾向となり、14年は5万件を割り込んだが、15年は6万戸程度に回復すると予測する。戸当たりの流通価格は、1,284万円(同10.7%上昇)と大きく上昇しており、新築同様に上昇傾向が顕著だという。「新築の価格上昇の影響が築浅物件を中心に中古にも出ている」(同社)と分析する。
 平均賃料は戸当たり7万1,337円(同0.4%低下)、坪当たり1万1,159円(同0.7%低下)とわずかに低下した。平均表面利回りは6.67%(同0.75ポイント低下)と新築同様に低下。直近10年では初めて6%台となった。新築との利回り格差も2.71ポイントに縮小。中古ワンルームの優位点である利回りが価格上昇により悪化する結果となった。


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