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新宿野村ビルに設置する制震装置の効果を実証/野村不動産他

「デュアルTMD-NT」の構造
「デュアルTMD-NT」設置イメージ

 野村不動産(株)、野村不動産マスターファンド投資法人、(株)竹中工務店はこのほど、「新宿野村ビル」(東京都新宿区)に設置工事をしている制振装置「デュアルTMD-NT」について、実物による性能確認試験に基づくシミュレーションを実施。8日、その結果について公表した。

 「デュアルTMD-NT」とは、建物の揺れと逆方向に動く重りを用いて建物の揺れを抑制する装置。新宿野村ビルでは、建物の最上部内にTMD(Tuned Mass Damper)を2基設置したものを採用している。

 このほど、竹中工務店の東日本機材センター(千葉県習志野市)にて「デュアルTMD-NT」の実物を製作し、性能確認実験を実施した。その結果、東日本大震災、南海トラフ地震と同等レベルの長周期地震動による揺れ幅が設置前との比較で約20~25%低減、揺れの時間も約50%短縮する効果を確認した。

 なお「新宿野村ビル」には、地震発生時に各階に設置した地震計から送信されるデータを基に安全性を判断する建物被災度判定システムと、地震時に「デュアルTMD-NT」が機能しているかをモニタリングするシステムの導入も予定している。

 「デュアルTMD-NT」の竣工は、9月の予定。


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