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工業化住宅で初めて登録有形文化財に/積水ハウス

「山崎家及び白井家別荘(セキスイハウスA型)」の外観。

 積水ハウス(株)の工業化住宅「セキスイハウスA型」が登録有形文化財に登録されることが決まった。文化庁の文化審議会が11日、文部科学大臣に新たに登録有形文化財に登録するよう答申した199件の建造物に、1963年築の「山崎家及び白井家別荘(セキスイハウスA型)」(長野県軽井沢町)が選定されたもので、プレハブ建築物が文化財登録されるのは初めて。

 「セキスイハウスA型」は、60年ごろに同社が発売したプレハブ住宅商品で、居室と水回りを備えた本格的な工業化住宅の国産1号とされる。構造躯体は現在の同社住宅にも使われている軽量鉄骨C型鋼を組み合わせたもので、木製サッシが主流だった当時としてはめずらしく、スチールサッシを使っていた。外壁は「アルミサンドイッチパネル」と呼んだ長方形のパネルを構造体に固定している。

 今回登録された建物は軽量鉄骨造平屋建て、屋根は金属板葺きの建物で、床面積は約34平方メートル。拡販のために別荘地等で建て売り販売されたもので、当時10棟販売したものの1棟。現在も個人の別荘として避暑に使われており、ほぼ完成当時の状態で残っている。同社によれば、ほぼ完存する唯一の遺構だという。


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