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マンションリフォーム本格拡大へ、国際的デザイナーとコラボ/積水ハウスグループ

8日に開設したショールーム。奥の和室空間が「障子結界庵」
「リノベーションによって人を呼び寄せられる空間をつくる」と語る喜多俊之氏

 積水ハウス(株)グループの積和建設19社は8日、国際的なプロダクトデザイナーである喜多俊之氏と連携し、マンションリノベーション「RENOVETTA(リノベッタ)」の提供を開始。横浜市西区の住宅展示場内にリフォームショールームを開設した。

 喜多氏はシンガポールやタイ、中国などの政府デザイン顧問を務め、家電や家具など多くのヒット商品のデザインを手掛けてきた。日本グッドデザイン賞の総合審査委員長も務めていた経験を持ち、現在は(公社)日本インテリアデザイナー協会の理事長、大阪芸術大学の教授などの肩書きを持つ。「リノベッタ」は、同氏による住まいと暮らしのリノベーションプロジェクトとして、2013年より展開している。

 積和建設では、一般在来工法の戸建てリフォームおよびマンションリフォームを展開しており、15年1月期のリフォーム売上高は200億円程度。今回の喜多氏とのコラボレーションを起爆剤に、マンションリフォームを本格的に拡大。将来的な売上高300億円に向けて強化していく。
 リノベッタブランドでのリノベーションについては、当面は首都圏、関西圏中京・東海圏を重点エリアとしていく。販売価格は70平方メートル台のモデルプランの場合、坪単価37万~45万円。基本的に自由設計での対応となるが、3グレードのパッケージ提案も行なっていく。

 築20年超の一般的な2DK~3LDK・専有面積60~80平方メートルの分譲マンションを主な対象として、間取り変更を伴う大規模なリノベーション工事を施す。「日本国内でこれまでに大量供給されたこれらのマンションは、家具や家電を置くと生活面積が削られ、モノであふれかえってしまい、住まい全体が“納戸化”してしまう問題があります。リノベッタでは、こうした問題の解決を提案しています」(喜多氏)。
 具体的には、住戸をスケルトン化した上で、キッチンとダイニングを家の中央に配置し、人を呼び寄せられるコミュニケーション空間とする。また、ユーザーの世帯構成やライフスタイルに合わせ、同氏が考案した組み立て式の和室「障子結界庵」や、スライド間仕切りなどによる可変性の高い空間づくりも提案していく。

 8日に行なった記者会見で、積水ハウスの取締役専務執行役員技術本部長の伊久哲夫氏は、「14年時点で、リフォーム適期となる築20年の分譲マンションストックは296万戸、これが10年後には485万戸になり、市場拡大が見込める。グループ全体のリフォーム売上高1,500億円に向けて、拡大させていきたい」と話した。


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