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「洋光台北団地」の集会所改修プラン、建築コンペ開催/UR都市機構

建築コンペの様子。一次審査に通過した6組がプレゼンした
「難しいテーマにもかかわらず、意欲的な作品が集まった」と感想を述べた、審査委員長の隈氏

 (独)都市再生機構(UR都市機構)東日本賃貸住宅本部は18日、「洋光台北団地」「洋光台中央団地」「洋光台西団地」(横浜市磯子区)を舞台に進めている「団地未来プロジェクト」の一環で、団地内の集会所とその周辺空間の再整備を目的とした建築アイディアコンペティションの公開プレゼンテーションを、求道会館(東京都文京区)で開催した。

 「団地未来プロジェクト」とは、2015年3月に始動した、郊外住宅地の活性化を図り、豊かな暮らしの未来像を提案するもの。同プロジェクトの前身である「URルネッサンス in 洋光台」プロジェクト(11年12月スタート)から携わってきた建築家の隈 研吾氏をアーキテクトディレクターとして、クリエティブディレクターの佐藤 可士和氏をプロジェクトディレクターとして迎えている。

 今回の建築コンペは、対象地である「洋光台北団地」(1970年築)の集会所および周辺空間約2,170平方メートル(JR「洋光台」駅徒歩5分)の再整備案を募ったもの。工事費用の上限は坪当たり100万円(建て替え時)。2015年9~12月まで建築プランを公募し、一次審査によって148プランの中から6プランを選出。公開プレゼンでは、一次審査に通過した6組が、隈氏、佐藤氏含む8人の審査員の前でプランを発表した。

 プレゼンの冒頭、同団地の担当者である同本部団地マネージャーの尾神充倫氏は「当プロジェクトでは、洋光台団地の活性化を核に洋光台エリア全体の活性化を目指している。われわれは、団地の未来を考えるうえで『集まって住む力』を重要視しているが、今回のコンペでは、それを最大限生かせる場所として集会所を活用し、新たな住まい方の提案やまちの社会問題解決につなげていきたい」と挨拶した。

 空間全体を縁側としてウッドデッキでつなげていく提案やDIYやキッチンスペースなどさまざまなシェア機能を持たせた提案、電子書籍を活用した「デジタルライブラリー」化の提案など、いずれも多様な世代・世帯が楽しめ、団地内外の人が立ち寄りたくなるプランが発表された。
 それを受け、審査委員長である隈氏は「団地再生事業の象徴的プロジェクトとして難易度の高い要望にもかかわらず、意欲的でわかりやすい提案が集まった。吟味して審査したい」と総括した。

 2次審査会を経て、6月中旬には最優秀賞1点(賞金50万円)、優秀賞1点(同10万円)、佳作3点(同3万円)を最終決定する予定。最優秀作品については、隈氏と佐藤氏のディレクションのもと具体的実施計画を検討していく。


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