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東京・大阪・名古屋の路面店賃料、上昇基調は緩やか/CBRE調査

 シービーアールイー(株)(CBRE)は12日、東京、大阪、名古屋における、2016年第1四半期の路面店舗の市場動向レポートを発表した。

 東京(銀座、表参道・原宿、新宿、渋谷)では、引き続きインバウンド需要で収益を伸ばす業態が需要をけん引。銀座では、エリア初進出となるブランドの積極的な出店戦略がみられる。表参道・原宿の大通りから外れたエリアでは、テナント入居に時間を要する物件が一部出ているものの、多くの物件で強気の賃料設定を維持。新宿は他のエリアと比べて空室が少ないため、需要は旺盛ながら新規出店はほとんどみられない状況が継続。渋谷では、商業施設の一時休業等により移転需要が増加しているものの、好立地の空室は希少で物件の確保には時間を要する見込み。
 当期のプライム店舗賃料(想定成約賃料、共益費込み)は、前期比横ばいの1坪当たり40万円となった。銀座のメインエリアを中心に引き続き需要は強いものの、経済の先行き不透明感を背景に、賃料水準に対するテナントの姿勢はやや慎重となる傾向がみられる。

 大阪(心斎橋、梅田)のプライム店舗賃料は、対前期比横ばいの1坪当たり24万円。引き続き、賃料負担能力が高いラグジュアリーからの強い需要があるものの、足元では賃料の上昇に一服感がみられる。心斎橋では、インバウンド需要で売り上げを伸ばしているラグジュアリー、スポーツ、ドラッグなどが需要をけん引した。梅田では、出店ニーズの多くが駅周辺に集中しており、駅から離れたエリアとの需要の二極化が進行している。

 名古屋(栄)もプライム店舗賃料は、前期比横ばいの1坪当たり12万円となった。メインエリアの需給バランスがひっ迫する一方、収益性を重視した出店が中心となったため、プライム賃料は横ばいが続いている。


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