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「リノベーションまちづくりの未来」語るシンポジウム開催/HEAD研究会

会場には多くの聴講者が駆け付けた

 (一社)HEAD研究会は23日、3331アーツ千代田(東京都千代田区)で総会を開き、事業計画等を議決・承認した。

 今期は新たなタスクフォース(TF)としてアートTF、エネルギーTFを新設。アートTFは、建築とアートを関連付けるプラットフォームを検討していき、エネルギーTFは建築とエネルギーの関係性に着目し、エネルギーを使わないで生活していく方法を探っていく。

 総会後には、シンポジウムを開催。“リノベーションまちづくり”をテーマに、5年後、10年後以降の将来を見据えた課題や視点について、パネリストらが語った。パネラーは(株)アンディート代表取締役の安藤勝信氏、横浜国立大学准教授の江口 亨氏、(株)MYROOM代表取締役の倉石智典氏、山本郁也事務所代表の山本郁也氏の4人で、モデレーターを(株)ブルースタジオ執行役員の石井 建氏が務めた。

 冒頭、各パネラーの取り組んでいる活動や研究内容を紹介。安藤氏は入居者とのコミュニティ醸成について説明し、「先日、退去が出て募集したところ、申し込みが11件もあった。入居者が誰を入れるか決めるほど、コミュニティが深まっている」などと話したほか、老朽化した賃貸住宅の1階にデイサービスやコミュニティスペースを開き、福祉を掛け合わせて地域を盛り上げていることなどを紹介した。

 シンポジウムでは、聴講していた参加者からもさまざまな意見が出るなど、会場を巻き込んだ活発な議論を展開。モデレーターの石井氏は「リノベーションというと、不動産とセットで考えてきたものだったが、一度不動産抜きで考えることも重要なのではないか」と、現在の常識を根本から見直すことが、将来を見据える上で重要だと話した。

 理事長の松永安光氏は「HEAD研究会の活動が多様化してきた。今は、さまざまなものがマニュアル化し、その根本が何なのかが考えられていない。議論を通じ、哲学的な分野にも踏み込んで、新しい哲学を組み立てていかなければならないと感じている」と締めくくった。


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