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「スムストック専用ローン」を提供、成約件数の上積み目指す/優良ストック住宅推進協議会

「啓蒙啓発に注力し、認知度拡大を図る」などと話す和田会長

 優良ストック住宅推進協議会は29日、スクワール麹町(東京都千代田区)で理事会を開催。終了後、会長の和田 勇氏(積水ハウス(株)代表取締役会長兼CEO)が記者会見した。

 同協議会は、住宅メーカー10社および関連不動産流通会社が参加。住宅履歴の整備や50年以上の長期点検・補修制度の維持などといった基準をクリアした会社が供給した戸建住宅を「スムストック」と呼称。独自資格である「スムストック住宅販売士」が査定を実施し、仲介も行なっている。

 15年度のスムストック成約数は1,448件(前年度比12%増)、累計成約数は5,190件を達成した。「スムストック住宅販売士」保有者数は累計4,230名。試験回数を年2回から3回に増やしたことで前年度比1,207名増となった。同年度は、新築とのコラボイベントで一般へのスムストック認知拡大を図ったほか、会員各社でノウハウの共有を目的に蓄積したデータの分析結果などを公開した。

 16年度は「営業強化商品の開発」と「イベント展開」を事業目標に掲げた。そのための営業強化商品として、三井住友信託銀行(株)によるスムストック専用ローンの提供を、30日から開始する。同商品は、会員会社が建設し、仲介する一戸建てが対象。スムストック査定額を元に融資を行ない、購入資金と同じ金利でリフォーム資金も一体融資する。今後もその他金融機関との提携により住宅ローンの提供を予定している。

 また、11月に関西地区(大阪・兵庫・奈良・京都・滋賀)のABCハウジング総合展示場でのスムストックの認知度拡大を図るイベントを計画する。

 会見で和田氏は、「啓蒙啓発運動が不十分で顧客はもちろん、新築を販売する営業マンにもスムストックの主旨が理解されていない。今後は啓蒙啓発に努め、新築とのコラボイベント、会員各社の広告にスムストックの主旨を織り込むなど、認知度拡大に注力する」とし、スムストック専用ローンの提供により成約数増加にはずみをつけ、「年間1万戸を目指したい」と抱負を述べた。
 また、さらなる成長への課題については、現在11%にとどまっている協議会10社の流通数に対する捕獲率(スムストック仲介数の割合)のアップや、不動産部門とリフォーム部門の連携強化などをあげた。


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