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土地利用基本計画制度のあり方、中間とりまとめ案作成/国交省

 国土交通省は26日、「第4回土地利用基本計画制度に関する検討会」(委員長:中出文平長岡技術科学大学副学長)を開催。中間とりまとめについて議論した。

 案では、(1)土地利用基本計画制度に関する検討会開催の背景、(2)土地利用上の課題の質的変化、横断的な視点からの土地利用の総合調整の必要性、(3)土地利用基本計画制度の意義について、(4)地方分権改革の流れを踏まえた土地利用基本計画に対する国への協議のあり方について、(5)今後に向けて、の5つの柱でとりまとめた。
 土地利用上の課題、価値観の多様化、土地利用の質的向上への対応、国土・土地利用について検証し、土地利用計画制度についてのマスタープラン機能、総合調整機能等の活用方法に加え、地方分権推進や行政効率化の観点から計画策定の際の国への協議のあり方などについてが盛り込まれている。

 今検討会の議論では、地方分権改革の流れを踏まえた土地利用基本計画に対する国への協議のあり方について集中した。委員からは「制度面の運用については、手続きと計画とに分けて考えた方がよい」「47都道府県は温度差ある。1国1制度とするにしても、大都市圏、地方圏によって制度の中で対応を違えるものがあってもよいのではないか」といった意見が挙がり、また国との協議については「協議を要する範囲を縮小していくという発想は良いが、現行法では軽微な変更以外はすべて協議が必要となっている。協議不要のカテゴリーを増やしていくという方法もあるのではないか」などの意見が挙がった。

 最後に同省大臣官房審議官の北本政行氏は「中間とりまとめをもち、いったん区切りとなるが、今回挙げられた意見などを参考に、地方分権の対応、法制面の変更の必要性などを踏まえて、今後の土地利用計画などを判断していきたい。また、土地利用計画の有効な使い方を検討し、各自治体に知らせていくことも重要。加えて土地利用計画制度の役割を改めて見直し、あるべき方向性について引き続き検討を進めていきたい」とまとめた。

 事務局は今回の議論を踏まえた修正を加え、中間とりまとめを公表する予定。公表時期は未定。


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