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IT化進展、ビックデータ活用が日本の不動産流通を変える。Zillow・シェパー氏が講演/JARECO

「MLSのようなデータベースが日本にもあれば、日本の業界を根底から変革することができる」と語るZillow社のシェパー氏

 (一社)日米不動産協力機構(JARECO)は29日、「リアルエステートテック研究会」の2回目となる会合を開いた。

 会合では、アメリカ最大の不動産ポータルサイト運営会社であるZillow社のディレクターであるブライアン・デ・シェパー氏が講演した。同社は、売却・査定・購入・賃貸・ローンなど不動産に係るあらゆる場面でのポータルサイトを運営しており、そのユニークユーザー数は171億人。年間売上900億円を誇る。

 シェパー氏は「不動産業界も、スマートフォンの登場に代表されるテクノロジーの発達で、この10年間で飛躍的な変革を遂げた。当社のサイトの検索も、7割がスマートフォン。この4年間でPCとの比率が逆転した。スマートフォンはあらゆるサービスの窓口となるリモコンで、ユーザーはできることはなんでもする。それは不動産探しも同じ。リアルターも当然、このデジタルツールに精通していなければダメだが、この変革を認識している人は少ない」とし、「テクノロジーに精通し、グローバルマインドが強いミレニアル世代による若年化が進み、不動産業界を変えていく」と語った。

 同氏は、不動産物件情報をはじめ、人口動態、交通、学校、犯罪率、コミュニティ情報など、あらゆる情報が網羅され、厳格なルールにより運営されているMLSについて言及し「MLSのおかげで、リアルターは20分で査定価格を出すことができる。こうしたデータベースが日本にもあれば、日本の業界を根底から変革することができる」と指摘した。

 また、市場データや公的データといったいわゆる「ビックデータ」をもとに、全米に存在するあらゆる不動産の売却可能価格が算出される同社の「Zestimate」を紹介。膨大な情報量を基にしたデジタル・コンテンツの可能性を強調した。


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