不動産ニュースと不動産業務のためのサポートサイト

資産総額は15兆円超。「JREIT15周年」記念しシンポジウム/ARES、日本取引所グループ

「今後も社会的要請に応えていくことが重要なミッション」と述べる同協会会長の岩沙弘道氏
シンポジウムの様子

 (一社)不動産証券化協会(ARES)は13日、(株)日本取引所グループと共催で東京大学伊藤国際学術研究センター 伊藤謝恩ホール(東京都文京区)にて、「Jリート15周年記念シンポジウム―日本の成長戦略とJリートへの期待」を開催した。

 冒頭挨拶に立った同協会会長の岩沙弘道氏は「2001年に始まったJREIT市場が15年経ち、資産総額15兆円にまで成長した。国内外の投資家からも大きな期待を寄せられるまでに拡大したのは、社会の要請に応えてきたからだ。JREITの役割は、幅広い投資家に不動産投資の機会を与え、社会資本の整備や更新、日本経済の新たな成長分野に資金を提供することで都市の国際競争力などに直接、間接的に貢献していくことだ。今後も社会的要請に応えていくことが重要なミッション」と述べた。

 基調講演では(公社)日本経済研究センター代表理事・理事長の岩田一政氏が「世界経済と日本経済の動向」について話をした。16年、17年の世界の経済成長について、「ぱっとしない」と予測。金融面や政策面でのリスクを説明した上で、先進国共通の問題として労働生産性の伸びの鈍化や均衡実質長期金利の低下などを挙げた。日本経済の現状については、アベノミクスは第1ステージは成果を上げたが、未だ平均成長率は0.6%と2%にはまだ遠いと指摘。同氏は「今後、労働生産性を高める、人口減少に歯止めをかけるといった成長戦略が求められる。それには移民を含めた人口維持政策、産業革命の推進、徹底した国際化、柔軟な労働市場の構築が重要」と自論を述べた。

 シンポジウムではパネルディスカッションも実施した。加藤 えりこ氏((株)ニッセイ基礎研究所金融研究部不動産運用調査室長)をモデレーターに、岐部一誠氏(前田建設工業(株)取締役常務執行役員経営企画担当兼事業戦略本部長)、中川雅之氏(日本大学経済学部教授)、樋口千恵(アルファコート(株)常務取締役)、村山慶輔氏((株)やまとごころ代表取締役、インバウンド戦略アドバイザー)が登壇。「日本経済社会の発展と課題―Jリートの担う役割」と題しインバウンドについて、またJREITの今後の可能性などについてそれぞれの立場から意見した。


最新刊のお知らせ

2024年5月号

住宅確保要配慮者を支援しつつオーナーにも配慮するには? ご購読はこちら