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池上線沿線を舞台に「リノベーションスクール」を開催/東急電鉄

グループに分かれて、課題となっている物件の再生事業プランを計画していく
「沿線の活性化策を進めているが、これからの開発は共感を呼ぶストーリー立てや既存物件を生かした提案も重要と考えており、当スクールもその一環に位置付けている」と挨拶した、太田部長

 東京急行電鉄(株)は3日、大手民間企業として初主催となる「リノベーションスクール@東急池上線」をスタート。会場となる「池上本門寺 朗峰会館」(東京都大田区)には32人の受講生が集まった。

 リノベーションスクールとは、遊休不動産の再生を通じてまちでの新しいビジネスを生み出してエリアを再生する「リノベーションまちづくり」の実践の場として、11年に北九州でスタートした。全国から受講生を募り、複数グループに分かれ、各地域のオーナーによる提供物件を題材に、実際の再生にかかる事業プランを検討。最終的には、オーナーにプレゼンテーションを行ない、事業化を目指す。

 東急電鉄は、東急線沿線の活性化を目的にさまざまな取り組みを行なってきた。今回は「池上」駅周辺エリアで、リノベーションまちづくりによるエリア活性化に取り組む。同エリアは、今回の会場である「池上本門寺」への参道があるほか、古くから住宅と工場が共存しながら立ち並ぶなど多様な魅力があるものの、近年は空き家率の上昇、交通利便性が悪いなどの課題を抱えている。

 「リノベーションスクール@東急池上線」は、3~5日の間で、池上周辺エリアの4物件(温浴施設、寺院、公園、空き店舗)を対象に、4グループに分かれ、まちや物件の調査、再生プランのプレゼンテーションなどを実践。受講生には、全国各地から90人超の応募があり、審査のうえ3分の1に絞り、30歳代半ばを中心に建築士、設計士、デザイナーなどさまざまなジャンルの人が集まった。

 スクールの冒頭、東京急行電鉄都市創造本部副事業部長・太田雅文氏は「池上駅は建て替えを計画しているが、これ機に同地におけるまちづくりをやりたいという思いでスタートした。これからの開発はハコづくりだけでなく、共感を呼ぶストーリー立てが必要になる。また中には既存物件を生かした提案も重要と考えており、当スクールもその一環に位置付けている」と挨拶した。

 同社は、今後も沿線活性化の手法として、反響を見ながらスクールを展開していきたい考え。


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