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これから求められる住まいについて議論

シンポジウムの様子

 (株)アキュラホーム住生活研究会は29日、「住みごこち・住みごたえ・住みこなし推進研究会」第3回シンポジウム「変わる暮らしと住まいのかたち」を、すまい・るホール(東京都文京区)で開催した。

 はじめに、同研究会委員長の髙田光雄氏(京都大学大学院教授)が基調講演。髙田氏は「環境問題や災害リスクの深刻化・少子高齢化社会・グローバリゼーションの進行などの諸問題を個別に考えるのではなく、住生活文化再考の契機として総合的視点で捉えることに意味がある」と述べたほか、持続可能で強靭な住宅について、“シナリオ・アプローチ”の重要性を説いた。

 後半には、大久保 恭子氏((株)風代表取締役)、園田 眞理子氏(明治大学教授)、野間 光輪子氏(日本ぐらし(株))、檜谷 美恵子氏(京都府立大学大学院教授)、山本理奈氏(東京大学大学院助教)が登壇し「変わる暮らしと住まいのかたち」をテーマにパネルディスカッションを実施。
 「人と人の繋がり」と「人とテクノロジー」を論点に議論が進められ、「近年、共通の趣味を持つもの同士など、テーマを持って自らが選択した人間関係が主流となっている。自治会のような地縁的関係性は薄れるため、住み替えのニーズへの対応が求められる」「自宅で生涯を終えたいと考える人が6割。それを全うするためには住まいだけでなく、人付き合いを含めた住環境が重要」「IoTの導入が盛んだが、近い将来AIが人間を超える等の話もある。住宅にどこまで取り入れるか再考すべき」といった意見を交わした。

 シンポジウム最後に挨拶した同社代表取締役社長の宮沢俊哉氏は、「住まいづくり企業から、“豊かな暮らし提案をする作り手”に変わるべきだと考えている。家の品質性などハード面だけでなく、住まう方々がどう生活シーンを感じるか。“コトづくり”の考え方が重要になる」などと語った。


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