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リノベの多能工を養成/インテリックス

多能工を育成する「リノベーションカレッジ」開校式の様子

 (株)インテリックスのグループ会社で設計・施工を行なう(株)インテリックス空間設計は10日、「マルチリノベーター(多能工)」を育成する「リノベーションカレッジ」を、オープンした。

 拡大するリノベーション業界の課題である職人不足の解消を目指してスタートする。マルチリノベーターとは、大工工事だけでなく、設計、施工技術(大工・水道・電気等)、施工監理のすべてを習得した人材のことで、若者や女性が活躍できる新たな職業としていきたい考え。同カレッジへは誰でも入学が可能で、修了後の進路も同社への入社希望を含め、自由としている。

 カリキュラムは、3ヵ月間で基礎知識からリノベーションの全工程を、座学と現場研修を通して実践的に習得できる内容。これまで、大工技術の習得には修業期間を含めた長い年月が必要とされてきたが、同社でこれまで培ってきたリノベーションのノウハウをマニュアル化することにより、初心者でも短期間で土台となる技術の習得を可能とした。「インテリックスでは常に100件の現場が動いている状態で、そのときに合った現場で学んでもらえるのが強み。外部メーカーや施工協力店の視察も組み入れている」(同社取締役兼執行役員副社長・藤木賀子氏)とした。受講費用は45万円。講師は同社社員や協力店より9人が務める。

 第1期生は、今年1月から応募を開始。20~60歳代の男女合わせて10人が全国から集まった。受講期間は6月30日まで。平日9時30分~17時に行なう。修了後は、3人を同社社員として登用する予定。そのほかのメンバーは、自社でノウハウを活用する、起業するなどそれぞれ目的が決まっている。

 藤木氏は「一般的な区分マンションリノベは、内装のみが対象で、道具や建材、システムの高度化なども伴って、高度な技術は要さない。それよりも近隣への配慮やマナーが重要。当カレッジのカリキュラムでは、そういったノウハウはもちろん、現場監督も務められる内容にすることで、一人当たりの収入を上げて、若い人や女性にも魅力ある仕事としていく」と述べた。

 第2期は9~10月にスタートする予定。今後は部分的な職能が学べる短期コースの設定、企業向けにキャリアアップ助成金を利用できる仕組みの構築なども検討する。

 同カレッジを通じて、同社施工部の人材を拡充するほか、将来的には施工協力店をカレッジ修了者が経営する会社で占めていきたい考え。

カレッジ長を務める藤木副社長


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