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リビタ、清澄白河にコンバージョンホテル

隅田川沿いの「LYURO 東京清澄」外観
川沿いに44m続く「かわてらす」

 (株)リビタは、隅田川沿いのビルをコンバージョンした「LYURO 東京清澄 -THE SHARE HOTELS-」(東京都江東区、収容人数102人)を、14日グランドオープンする。

 「THE SHARE HOTELS」は、2016年3月に事業開始した遊休不動産を有効活用したホテルシリーズ。地域に開かれたシェアスペースを設けることで、その場所にしかない新しい出会いと体験を提供している点が特徴。今回はその第2弾。

 延床面積1,589.90平方メートル。鉄骨造地上6階建て。東京メトロ半蔵門線「水天宮前」駅徒歩10分、都営大江戸線「清澄白河」駅徒歩10分に立地。築29年のオフィスビルを旅館にコンバージョンした。同ビル管理会社からリビタへ有効活用の相談があり、プロデュースに至った。オーナーから1棟借り上げで運営する。

 客室は、4~6階に個室タイプ(4種)23室、1・3階にドミトリータイプ30ベッドを用意。川側の個室(18室)には、大きな開口部から景色が楽しめる「リバービューバスルーム」を設置した。ドミトリーはすべて、シングルタイプのマットレス(95×195cm)を収納したPODタイプ。
 2階にはグリル料理レストランとブルワリーが出店。同店舗の屋外には、川沿いに長さ44mのテラスを設置。東京都が進める「かわてらす」事業に採択され、隅田川沿いの遊歩道と一体化し、ホテルやレストラン利用者のみならず誰でも足を運べるパブリックな空間として提供。水辺ならではの過ごし方を提案していく。

 (合)Yelloのプロジェクトデザイナー・佐藤利樹氏を起用し、川沿いという立地からブルーを各所に効果的に配色。「川」という漢字から3本線をモチーフにしたグラフィックデザインを物件名などに使っている。葛飾北斎の浮世絵や江戸小紋も壁紙に採用した。

 料金は個室が1室当たり1万5,000円~、ドミトリーが3,600円~。3月30日からのプレオープンでは、個室のあるワンフロア(6室)を提供していたが、おおむね満室稼働。グランドオープン以降の予約状況もゴールデンウィークを中心に家族連れから反響が高いという。

 11日会見した同社代表取締役社長の都村智史氏は、「観光面では、その地域特有のコンテンツや体験機会が求められている。一方で、中心市街地などでは遊休不動産が点在する。そうした物件に当社が培ってきたリノベ―ションやコミュニティづくりのノウハウを取り入れることで、宿泊機能だけでなく新しい価値を生み出すプラットフォームになることを目指す」と述べた。

 今後は、北海道・函館で5月に(4月3日の記事参照)、石川・金沢の第2号物件を8月下旬にオープン。京都の御所近くと東京の浅草近くでも計画している。なお、第1弾の「HATCHi金沢」(石川県金沢市)のオープンから1年経ったが、同物件の平均稼働率は50%程度。個室の稼働は好調だが、ドミトリータイプが伸び悩んでおり、「平日の外国人一人旅客を取り込むなど、認知度を上げていくことが今後の課題」(都村氏)としている。

最大4人宿泊できるリバービューの客室


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