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賃貸住宅の相談数、前年比11%増の629件

 日管協総合研究所は25日、借り主・貸し主・賃貸管理事業者からの相談事例分析結果(2016年度)を発表した。

 16年度の相談件数は、前年比11%増の629件。リーマンショック後の増加とその後の減少傾向を経て、3年連続の増加、過去3番目の水準となった。「景気回復の遅れや先行きの不透明感から賃貸環境が好転していないことが、増加要因の一つ」としている。

 相談件数では、「仲介&入居前」(136件)がトップに。内訳は、「仲介・重要説明事項」に関する相談が45%で、重説に関する説明内容や、契約時にかかる費用負担・設備などへの説明不足や対応に関するものが寄せられた。2位は「管理業務」(96件)で、管理事業者の行なう管理業務に関するものが60%を占めた。3位の「入居中修繕」(94件)については、借り主から貸し主負担での修繕を求めるものが63%に達し、貸し主の修繕姿勢に対する不満の高さがうかがえた。これについて、「貸し主の家賃収入の低下傾向による警戒感から修繕姿勢が消極的になっている」と分析している。4位は「原状回復」(79件)、5位は「居住ルール」(36件)。

 相談者の割合は、借り主が45%、貸し主が11%、管理事業者が44%。近時5ヵ年の総計割合では、借り主が約40%、貸し主が15%、管理事業者が45%となっており、貸し主からの相談件数が減少傾向であることが分かった。一方、管理事業者は現在の厳しい賃貸環境下において、法令や制度改正などの一過性の要因に大きく左右されるが、借り主の苦情対応などにより増加傾向にある。


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