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東京Aクラスビルの成約賃料、前期比1.1%減

 三幸エステート(株)は27日、(株)ニッセイ基礎研究所と共同開発した成約賃料に基づくオフィスマーケット指標「オフィスレント・インデックス」2017年第1四半期版(1~3月)を発表した。

 東京都心部のAクラスビル(延床面積1万坪以上、基準階床面積300坪以上、築年数15年以内)の賃料は、1坪当たり3万3,398円(前期比1.1%減少)と低下。15年第3四半期を頂点にゆるやかな低下傾向が続いている。新規供給が大幅に増加する18年以降の竣工予定ビルでも募集活動が本格化。テナント側では移転候補ビルの増加で大口需要が刺激される一方、ビルオーナー側では特に新築ビルで競合物件の増加から賃料を引き上げにくい状況が定着しつつある。

 空室率は3.9%(同0.5ポイント上昇)と3期連続での上昇。新築ビルではまとまった募集床を抱えて竣工する傾向が続いており、増加傾向にある二次空室の発生も空室率上昇の要因とみられる。

 一方、Bクラスビル(基準階面積200坪以上でAクラスに含まれないビル)は、1坪当たり賃料が1万9,742円(同7.4%上昇)と4期ぶりの上昇。賃料の低下傾向には歯止めがかかったが、賃料水準に天井感が漂う状況は続いている。16年第1四半期をピークとして、Aクラスビルに遅行する形での賃料下落が再び進む可能性は残る。

 空室率は2.0%(同0.2ポイント低下)と2期連続で低下。08年第3四半期以来の低水準となった。

 Cクラスビル(基準階面積100坪以上200坪未満。築年数制限なし)については、1坪当たり賃料が1万5,771円(同2.8%上昇)と2期連続で上昇。16年第1四半期に記録した直近でのピークを再び上回ったことで、賃料は緩やかな上昇ペースに回帰したとみられる。空室率は2.7%(同増減なし)。

 賃料を前年同期と比較すると、Aクラスビルは1.8%低下、Bクラスビルは1.1%低下、Cクラスビルは2.0%上昇した。


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