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まちづくり活動の担い手、施策の方向性を示す

 国土交通省は19日、「まちづくり活動の担い手のあり方検討会」(議長:足立基浩和歌山大学経済学部教授)の第5回会合を開き、とりまとめ(案)について各委員が意見交換を行なった。

 同案では、施策の方向性として、(1)民間まちづくり活動団体の組成と認知、(2)持続的かつ安定的な財源の確保、(3)整備と管理の一体性確保、(4)人材育成・ネットワーク構築を挙げ、それぞれの課題と求められる取り組みについて示した。

 (1)では、官民でビジョンの共有を推進するほか、地域の企業、金融機関、地方自治体等が参加する地域のプラットフォームづくり、民間企業が積極的にまちづくりに参加する誘導策の対策を講じることにより、地域における民間まちづくりを持続させていくための組織づくりや体制整備を支援。地域の課題解決や魅力づくりを目指す推進力として、行政を補完・代替する地域住民、民間団体等のエリアマネジメント等の活動を積極的に認定し、支援する仕組みを検討するとした。
 (2)については、「限りある財政支援の効果を最大化すべく、メリハリを持って支援策を講ずるべきである」と必要最小限の公助について議論。共助・自助のインセンティブ付けの具体例を提示した。(3)では、市街地の整備改善や利便施設の整備を行なう場合に、計画段階から事業後に行なわれるエリアマネジメントまでを構想し、事業性や運営の一体性を確保する仕組みを検討するとした。
 中でも(4)の人材育成・ネットワーク構築がまちづくり活動には重要であるとし、「活動を担う発想力と実行力を持った人材を確保することが不可欠」「担い手の裾野を広げ、地域の中から担い手を育成することが重要」などと指摘した。

 各委員からは、「行政の支援としての補助金は『社会的投資』と捉え、取り組みを持続させていくことが重要」「中心地と地方とでは違いがあるため、地方ごとに検討会を開き課題を抽出していくことも必要では」「エネルギーインフラの整備に対し行政が一定の役割を果たすことに加え、市民への周知といったソフトサポートも求める」などの意見が挙がった。部会では必要な修正を加えた上で、近日最終とりまとめとして公表する。


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