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東京・国分寺の木質ビルを竣工/住友林業

4~7階は集成材を現しにすることで、木のぬくもり感を強調した

 住友林業(株)が技術検証・施工し、一部に木質ハイブリッド構造を採用した耐火木質ビル「国分寺フレーバーライフ社本社ビル」(東京都国分寺市)が竣工。28日にプレス向け見学会を開いた。

 同ビルは、アロマオイル販売等を手掛ける(株)フレーバーライフ社の本社ビルとして建築。JR「国分寺」駅より徒歩5分、敷地面積180.80平方メートルで、建物は鉄骨造地上7階建て、延床面積606.31平方メートル。

 施主のフレーバーライフ代表取締役・興津秀憲氏が、多摩産材での建物づくりに関心が高く、木のあたたかみある空間をオフィスビルに採用したいと考え、木質ビルの建設を決めた。設計監理は(株)スタジオ・クハラ・ヤギ。住友林業は技術面の検証や施工を担当した。2015年度のサステナブル建築物等先導事業(木造先導型)に採択された。

 1~3階部分が一般的な鉄骨造、4~7階が「木質ハイブリッド造」。耐火被覆の役割を果たす集成材の中に鉄骨を埋め込んだ「木質ハイブリッド集成材」を採用することで、都市部狭小地での木質構造ビルを実現した。コストは一般的な鉄骨造に比べて10~15%のアップに抑えた。

 住友林業木化営業部副部長の佐野惣吉氏は「人口減少等により、戸建てマーケットが先細りになっていくことが予測される中で、都市部における木質建築物は新しい手法として有望視している。これまで、地方の公共建築等で実績を伸ばしてきたが、今回の施工を契機として都市部での建築実績を増やしていきたい」と語った。

「国分寺フレーバーライフ社本社ビル」外観。低層部に多摩産のスギ材を使ったルーバーを採用した
今回使用した「木質ハイブリッド集成材」。H型鋼を内蔵することで、強度と木の持つ柔らかな質感を両立する


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