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注目投資先は学生マンション

 シービーアールイー(株)(CBRE)は5日、「CBRE投資家意識調査2018(CBRE Investor Intentions Survey 2018)」に基づき、日本の投資市場についてレポートを発表した。

 同調査は、不動産投資家の投資戦略を把握することを目的に、アジア太平洋地域を投資対象とする投資家に毎年実施しているもの。実施時期は2017年11月~18年1月。回答者数は366。

 「売却額が前年比で増加する」と回答した投資家は全体の34%にのぼり、前年の調査結果から14ポイント増加。日本の投資家は売却意欲が高まっていることが分かった。一方、「投資額が前年を上回る」と回答した投資家は全体の29%(前年比9ポイント低下)に。売却物件が増えることを示唆しているものの、売り主と買い主で価格目線の格差も開きつつあるため、取引成立に時間を要する事例も増えると予測した。

 今後投資を検討するセクターとしては、「学生寮・学生用マンション」が20%と最も高く、次いで「データセンター」、「サービス付き高齢者向け住宅/老人ホームなど」、「ヘルスケア」が同水準の16%を占めた。なお、投資対象全体の中で最も魅力的なアセットタイプは、引き続きオフィス(回答率:41%)が選ばれ、次いでホテルが26%(同10ポイント増加)となった。

 一方、アジア太平洋地域を投資対象とする海外投資家は、魅力的な都市として、1位に東京、7位に日本の地方都市を選定。18年は、海外投資家からの日本に対する関心がさらに高まることを示唆した。日本が最も魅力的だと回答した海外投資家のうち、最も多かったのはアジアの投資家で、59%を占めた。18年も、アジアの投資家が日本のインバウンド投資のけん引役となると考えられる。

 また、世界的な低金利による運用難を背景に、高利回りの不動産投資が注目される中、日本は経済規模が大きく、比較的安定しているため、資金の配分先として引き続き重視されている。さらに、日本では低金利政策も続くと見られており、金利に対する不動産利回りスプレッドが他の主要国に比べて高い水準が続くとみられる点も、投資家を惹きつける要因としている。


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