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解体する民家の建具をDIYリノベに再利用

今回建材をリユースした住宅

 ポラスグループの中央グリーン開発(株)は26日、千葉県野田市で、住宅の解体前に建材や樹木をリユースするイベントを実施した。

 この住宅は、東武アーバンパークライン「川間」駅から徒歩十数分に立地。敷地面積約100坪、築40年弱、個人宅として建てられた。住み替えに伴い、元オーナーが同社に土地建物を売却。同社は2棟の戸建分譲にする予定。7月には建物を解体することが決まっており、5月半ばには棟下式(神事等を通して建物に感謝を示す儀式、中央グリーン開発の造語)も執り行なった。

 今回のリユースイベントは、任意団体「南房総DIYリノベチーム」が協力。同団体は千葉・南房総を拠点に空き家等のDIYリノベーションを行なっている。メンバーはNPO職員や木材店経営者、カメラマン等。平日は都内に勤める二地域居住者もいる。

 この日はスイッチ類や照明、ドア、取っ手、フェンスなどを取り外した。建具は同団体が南房総に持ち帰り、DIYリノベに使用する。神棚に使っていた長さ2m弱の一枚板は、製材して元オーナーの新居のローテーブルとして再利用されることも決まった。

 庭の樹木も伐採。元オーナーの女性が「一番思い出に残っている」と話す、庭のシンボルツリーだったイヌマキの木は、製材してローテーブルの足に再利用する。元オーナーは「解体してなくなると思っていたものが、こうして蘇るのはとても嬉しい」と語った。このほかの樹木も、同団体メンバーが地域で行なっている色鉛筆づくりのワークショップの材料として活用される。

 同社では、「従来であれば、解体後に捨てられるはずだった建材や樹木です。こうした活動を通じて再利用を促すいい循環につなげたい」という。

神棚に使っていた一枚板はローテーブルとして再生する
思い入れのあるイヌマキの伐採を見守る元オーナー家族


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