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サステナビリティ評価され透明度ランク上昇

 JLLとラサール インベストメント マネージメントは25日、「2018年版グローバル不動産透明度インデックス」を発表した。

 両社のグローバルネットワークを活用して収集した情報を分析、不動産市場の透明度を数値化しているもので、2年に1度発表している。10回目となる今年は、世界100ヵ国156都市に対象を拡大。グローバルに広がるESG投資の要求に応え、サブインデックスにサステナビリティを追加した。

 透明度トップは前回調査(16年度)に引き続きイギリス(総合スコア1.24)で、2位も同じくオーストラリア(同1.32)。3位にはアメリカ(同1.37、前回4位)がランクインした。調査対象全体の85%の市場が透明度を改善しており、透明度「高」に分類される国が、11ヵ国に増加(前回10ヵ国)した。世界で最も透明度を改善したのは6位にランクインしたオランダ(同1.51)。
 グローバルリサーチディレクターのジェレミー・ケリー氏は、「政府やNGOによるオープンデータの確立等、不動産テックの普及に努める国が上位にランクインする傾向」と解説した。

 日本は、14位(同1.98、前回19位)に。サブインデックスに“サステナビリティ”が加わったことがランクアップにつながった。JLL日本リサーチ事業部ディレクター・大東雄人氏は、「建築物省エネルギー性能表示制度や、エネルギー効率基準の導入などの取り組みを積極的に進めている点が評価され、同項目においては、日本は第3位となっている」と解説した。
 一方、株主へのデータ開示度等を測る「上場法人のガバナンス」、共益費の内訳などを明確にする「テナントサービス」、情報開示の進行度合いを測る「市場ファンタメンタルズ」が低い水準。同氏は、今後の課題として市場ファンダメンタルズの水準向上を挙げ「特に住宅の情報は、世界トップクラスの登記システムがあるにも関わらず、エリアごとの賃料推移等、統計に使えるデータが少ない。また、東京都に比べ大阪府は透明度の改善が遅れているなど、都市間による格差が大きい点も解消すべき」とコメントした。


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