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地方でホテル供給活発化も、まだまだ伸びる需要

 シービーアールイー(株)は26日、「2020年のホテルマーケット展望ー地方都市で高まるインバウンド需要とホテル開発動向」を発表した。札幌、名古屋、福岡の地方都市の供給動向を踏まえた日本のホテル市場の見通しについてまとめている。

 ホテル三大都市と言われる東京、大阪、京都以外の地方都市にもインバウンド需要が波及しており、地方都市でのホテル供給が活発化している。札幌、名古屋、福岡では2020年までに1万5,000室の客室が供給されると推計しており、これは16年時点の既存ストックに対し、札幌では18%、名古屋では31%、福岡では30%に相当するという。

 なお、既存の客室数に新規供給客室数をプラスしても、20年の訪日外客数4,000万人という政府目標を前提とした必要客室数には到達しない見込み。同社では、札幌で約3,500室、名古屋で約2,100室、福岡で約1,400室が不足すると推計しており、供給過剰の懸念は低い、とした。

 なお、地方都市で供給されるホテルのタイプは宿泊機能以外の付帯施設を限定もしくは最小限にした宿泊主体型ホテルがほとんどで、国内単身出張者の利用を前提としたビジネスホテルが新規供給の55%以上を占めている。そのためインバウンド需要の地方都市への波及が進むに従い、需要とのミスマッチが発生、さらに競争激化を引き起こす可能性も示唆している。

 また、インバウンドの需要増加は世界的な流れであり、20年の東京五輪後もこの潮流は続き、日本のホテル需要は拡大を継続すると予想している。


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