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高齢者世帯への生活支援サービスの成果を発表

 旭化成ホームズ(株)は12日、「総合的な高齢者世帯向け支援サービスの意義と可能性」と題した研究結果を発表。同社のシニアライフ研究所(東京都新宿区、所長:入澤敦子氏)がとりまとめた。

 介護保険制度の対象となる高齢者(要介護認定者)は一部にすぎず、自立高齢者の中にも心身機能に不安を抱え、「要支援」に差し掛かろうとしている段階(フレイル)の人が多くいる。そこで、2015~18年の期間、持ち家に暮らす自立高齢者で、本人やその家族が何らかの健康不安を抱える60歳代後半~80歳代後半のモニターとその家族を対象に、「アシストマネージャー」と名付けた相談員が、多岐にわたる情報と生活支援サービスを提供、健康状態だけでなく安心感や社会との交流意欲が向上されるかをモニタリングした。

 その結果、「からだ」「心」「交流」の視点で総合的にみて、10名のうち6名の生活の質が向上、4名が現状維持となった。このことから、元気に見えてもフレイル期に入れば専門家の助けや外部の手助けが必要になること、また、家族を含めて暮らしに寄り添い見守る「アシストマネージャー」の存在に効果があることが分かった。

 また、家族形態・身体状態の違いによって求められる生活サポートニーズの違いが明らかに。若くて定期的なサービスの需要が低い「自立型」は、早い段階で外部サービスを体験をすることや将来に備えた情報収集の効果が高い。その一方、持病のある単身親と病気や障害を持つ子供がいる「親子フォロー型」は、買い物同行サービスや行政の支援制度を行なうことで生活が上手く回るといったケースがあった。

 同日開催した「第17回 くらしノベーションフォーラム」で報告した入澤所長は、「今後は、より総合的なサポートができる人材を育成すると同時に、ケアマネージャーなどの行政の専門職との連携のあり方を検討していきたい。研究を進めることで当社のサービスの一環として提供できるようになれば」と話した。


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