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富山で良質住宅の認定制度が発足

 (一社)安心R住宅推進協議会(代表理事:三津川 真紀氏)は、富山県内の主要金融機関と連携して良質な住宅を認定する「富山既存安心住宅」制度をスタートする。

 同協議会富山支部(支部長:森藤正浩氏[正栄産業(株)代表取締役社長])が中心となって策定した認定基準をクリアした既存住宅に対して、(株)北陸銀行、(株)富山銀行、(株)富山第一銀行の3行が金利優遇などを付与する。県内での良質なストックの流通促進に寄与するのが狙い。国土交通省の2016年度「住宅ストック維持・向上促進事業」の採択も受けている。

 基準策定には、各金融機関も参画し、富山県の気候など地域特性も考慮した2系統10条件30項目の基準を定めた。基準に沿って既存住宅を採点・評価し、レベル1~5(5が最高評価)にラベリング。評価は、それぞれの項目ごとに最高3点で評点を付ける。基礎情報や瑕疵担保責任、コンプライアンスといった、同協会が「必須」と定めた各項目において、1つでも評点が1.0以下だった場合は認定不可とする。基準や評価マニュアル等については、不動産会社等の求めに応じて公開していく。三津川氏は、「安心R住宅は非常に高い性能を持っていますが、認定要件を満たした住宅は数が少ない。そして、満たしていなくても将来に向けて継承できる住宅は数多い。本制度は、そうした住宅を適正に評価していくことで、ユーザーが安心して購入できる住宅を増やしていく試みです」と語る。

 このほか、建物維持管理計画を策定するための仕組みや、地域性を加味したインスペクションの仕組みも設けており、「しっかりと維持保全された建物が、インスペクションを経て、再生・リフォームされ、適切に評価・査定され、流通し、金融や保険の裏付けを受けることができ、さらに維持管理の仕組みもしっかり残るという取引フローができる」(森藤氏)。

 19年4月の住宅ローン商品の発売により、事業が本格スタート。5月頃に初の取引を見込む。初年度は4~5件程度の認定住宅の取引件数を見込む。「今回の取り組みは既存住宅の適正な評価がポイント。地方圏は既存住宅価格が下がり続けているため、適正価格を提示することによって一定の歯止めになってくれるのではと期待している」(同氏)。


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