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商業店舗の動向、過去3年のトップは「新規出店」

 (株)ザイマックス不動産総合研究所は29日、「商業店舗の不動産戦略に関する実態調査2018」を公表した。調査は6~9月、早稲田大学建築学科小松幸夫研究室と共同で、年間の売上高が30億円以上の商業事業者を対象に、アンケートとヒアリングを実施。アンケート有効回答数は391社、ヒアリングは18社から行なった。

 主力事業の業種・業態については、小売業(食品・非食品)が71%と最多となった。国内店舗数については、飲食業は50店舗以上で多店舗展開する事業者(構成比62%)が多かった。また出店地域を「北海道」「東北」「関東」「東海」「北陸・甲信越」「関西」「中国・四国」「九州・沖縄」の8エリアで調査したところ、小売業(食品)と娯楽業は80%以上が一つのエリア内で出店しており、地域密着型の店舗展開をしている事業者が多いことがわかった。

 標準的な店舗面積について尋ねたところ、飲食業が小さく、150坪未満の事業者が90%を超えた。また、既存店舗が出店している施設形態をたずねたところ、サービス業を除いたすべての業種・業態でロードサイド単独店の比率が最も高い結果となった。

 3年前と現在で新規出店の方針は比較すると、「店舗数拡大のために積極的に出店」を方針とする事業者は減少(構成比19%→13%)した。一方、「優良物件に絞って出店」(同51%→63%)、「原則として出店しない」(同18%→23%)とする事業者は増加しており、新規出店に対して慎重になっていることがうかがえた。なお、新規出店の方針が変化したもっとも大きな要因は、「労働力の確保」であり、事業者へのヒアリングから人材の確保だけでなく、定着率の低下も大きな課題であるというヒアリング結果となった。

 過去3年間の不動産戦略の実績として、事業者の実施比率が高い上位3項目は、「新規出店」(同66%)、「売上げ好調店舗の改装」(62%)、「不採算店舗の退店」(44%)となった。


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