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ナイス、木造非住宅建築物の受注を加速

建物内部。柱梁とも欧州産アカマツの集成材。特殊な金物で結節して耐震性を上げるパワービルド工法
最大スパン6,300mmを確保。斜め梁が印象的だが、耐火ボードを貼るため現わしとはならない

 ナイス(株)は11月29日、横浜市保土ヶ谷区で建築を進めていた準耐火木造建築物の見学会を開催した。

 同建物は、社会福祉法人西谷梅の木福祉会が、既存の保育園の分園として使用するため発注したもの。設計・監理は、(有)雄設計室(神奈川県逗子市)。ナイスは、資材供給を含めた施工を手掛けた。

 相鉄線「西谷」駅徒歩5分に立地。土地面積は336平方メートル。建物は木造軸組の準防火仕様で、特殊な金物で柱梁を結節して耐震性を確保するナイス独自のパワービルド工法。建築面積は153平方メートル、延床面積は290平方メートル。幼児の情操教育のためすべて木を使った建物にしたいという施主の意向を受けたもので、エントランスから1階建物中央部を土間として雨の日でも園児が遊べるよう配慮した。中央にヒノキ柱を現わしとして建てる。建築単価は、坪当たり約70万円。

 同社は、主力の建築・資材事業の拡大を目指し、大型木造建築物と非住宅木造建築物の受注(構造設計・施工)を強化している。今年3月の建築基準法改正により、防火地域での木造建築物に係る規制が緩和されたこと(施行は2019年6月)で、都市部での木造建築物の可能性が広まることから、さらなる受注を狙う。

 同日会見したすてきナイスグループ代表取締役副会長の日暮 清氏は、「木造建築物は、100年も200年もCO2を固定できるなど地域のため、世の中のためになる。また、住宅着工が頭打ちとなる中で、新たな需要として期待できる。リピート受注も増えている」などと抱負を語った。


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