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住み続けられる国土、コミュニティ創造が重要

委員会の様子

 国土交通省は11日、国土審議会計画推進部会「第12回住み続けられる国土専門委員会」(委員長:明治大学農学部小田切 徳美教授)を開催。これまでの議論を踏まえ、2019年のとりまとめ骨子(案)である「新たなコミュニティの創造・新しい内発的な発展が支える地域づくり」などについて確認・議論した。

 「新たなコミュニティ」の創造については、機能や場、仕組みが必要であると考えられ、共通の価値観に基づく人と人のつながりが重要とした。さらに場や仕組みの形成にむけて、人材育成や学びあいといった要素が必要だが、どのような組織が担うことが適切なのかを議論していくことを確認した。

 「新しい内発的な発展が支える地域づくり」において、行政と民間がどのように役割分担するかについては、前提となる政策デザインの提示や事務局機能・コーディネート機能については行政が必要に応じて担うことができるとした。さらに地域内で経済環境が可能となるよう、地域づくりに取り組む組織などに対する資金の確保の観点から地域金融機関の役割は重大であり、さらに地域金融機関が持つ人的ネットワークの活用や専門人材が持つノウハウの提供とった役割の可能性についても触れた。

 また、内発的発展を支え、住み続けられる国土を形成するための拠点、空間づくりのあり方とネットワーク構造については、地域の特性に応じた空間形成に取り組む必要性を指摘。電子商取引の普及などによる人流・物流構造の変化がネットワーク構造にどのように影響するか、さらに、自動運転やカーシェアリングなどのSociety5.0に関連する技術によってどのように暮らしが変わるかといったことがテーマになりえるとした。

 委員からは、これらのテーマについて「これからは暮らすために“どう稼ぐか”が重要。なぜコミュニティが大切なのかということを今一度確認する必要がある」や「金融は転換期にあると感じている。SNSに金融機能が備わり、利用者も多い。地銀とのかかわりは多様化していくだろう」、「計画を進めるには地域リーダーの存在が不可欠だが、役場のOBといった人材にニューフェイスが加わることで、輪が広がっていく」といった意見があがった。

 第13回目の開催は、2019年3月8日の予定。


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