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20年度以降の地籍調査の優先地域等を検討/国交省

 国土交通省は25日、国土審議会土地政策分科会企画部会において、2020年度以降の国土調査のあり方に関する検討小委員会(委員長:東京大学大学院工学系研究科教授・清水英範氏)を開催した。

 第12回となる今回は、次期十箇年計画における地籍調査と土地分類調査について議論。優先実施地域と地籍整備の状況を表す新たな指標や、調査の重点実施地域の考え方などについて検討し、7月頃までに最終的なとりまとめを行なう。

 地籍調査の次期十箇年計画の策定にあたり、事務局が優先実施地域の考え方について議論の方向性を提示。第6次計画(10~19年度)策定時に設定した優先実施地域のうち未実施の地域(約4万平方キロメートル)について、防災対策や社会資本整備等の施策と連携する地籍調査を重点的に支援する考え方や、最優先実施地域を検討・整理すべきではないかとした。
 また、地籍整備の進捗状況を国民に分かりやすく伝えるとともに、実施主体等がその進捗を適切に管理するため、分野ごとの達成状況を表す新たな指標の設定についての検討を提案。優先的に地籍調査を実施すべき地域における進捗状況を明らかにするため、地籍調査の対象地域のうち、優先度が低い地域を除いた地域における実施率を指標としてはどうかという方向性も示した。

 委員からは、「地籍調査手法について、より円滑化・迅速化させるためには、既存の施策との連携が不可欠」「指標については、誰に向けてどういう目的で示すのかをはっきり示すべき」「効率的な手法で地籍調査を実施した市区町村等の数より、具体的な取り組みについて示したほうがよいのではないか」といった意見が出された。

 土地分類調査については、「災害リスクの高い都市部の地域から優先的に実施する」ことを提案。それを踏まえ、(1)一定の人口規模を持ち、近年の市街地の拡大率、人口集中度の高い地域または都市の縮退、中山間地域に位置するなど、特徴的な都市の形態を持つ地域、(2)自然災害に対して脆弱な条件を持つ地域、(3)近年大規模な自然災害が発生した地域、または近く大規模災害の発生が懸念される地域を優先的に実施するといった方向性を示した。

 次回の検討小委員会は、5月30日に開催する予定。


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