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CRE業務のアウトソーシングにメリット

 シービーアールイー(株)は26日、「CREマネジメント・アウトソーシング-コアビジネス強化のための不動産マネジメント」と題したレポートを公表した。

 生産年齢人口の減少や働き方改革などで注目されている分野である企業におけるビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)。その中でも特にCREに関する動向を紹介しながら、そのメリットや効果等についてまとめた。「BPO」とは、人事や総務、経理、福利厚生、コールセンター等の業務に関するアウトソーシングのことで、近年は商品開発や営業など企業のコアビジネスをアウトソーシングする例もみられる。

 日本に拠点を置く企業のオフィス戦略担当者に同社が実施した調査(有効回答数325)によると、何らかの業務でBPOサービスを導入している企業は約25%。また、どういった分野でBPOを導入・導入予定かを複数回答で聞いたところ、CRE関連業務(施設整備、ワークプレイス管理、資産活用)という回答は16%となった。調査を担当した同社リサーチアソシエイトディレクターの岩間有史氏は、「ここ数年、同じような数値で推移しており、CRE関連業務は、BPO対象としてはまだマイナーな分野にとどまっている」と話す。

 同社では、業務を専門集団にアウトソーシングすることで、業務効率化やコスト削減、コア業務への集中といった各種のメリットが生まれるとする。CREについては、これまで企業総務部等が管轄してきたポートフォリオ管理、収支・営繕管理、移転プロジェクト管理といった業務を、不動産会社等の専門集団にアウトソーシングすることで、大きな収益機会を生む可能性が高いという。

 一方で、「それまでその業務に従事していた社員の処遇」や「コスト削減以外のメリットが分かりくい」といった、企業のBPO導入への障壁についても触れ、「人員の処遇については、アウトソース先に部門ごと譲渡したり、アウトソース先との合弁会社設立とそこへ転籍したりといったさまざまな方式がある。また、専門会社に委託することによってコンプライアンスの向上といった効果も期待できる」(岩間氏)。


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