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省エネ基準改正に係る政令案等がパブコメへ

 国土交通省と経済産業省は2日、社会資本整備審議会建築分科会建築環境部会建築物エネルギー消費性能基準等小委員会と総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会省エネルギー小委員会建築物エネルギー消費性能基準等ワーキンググループの12回目となる合同会議を開催。9月上旬にパブリックコメントを行なう予定の省エネ基準の改正等に係る関係政省令・告示の一部改正等について議論した。

 今回の改正では、「住宅トップランナー制度」の対象に、新たに注文戸建住宅や賃貸アパートを追加する。注文戸建住宅は、年間300戸以上供給する住宅事業者を対象とする予定。目指す水準として、「目標年度2024年度以降」「外皮基準は各年度に供給する全ての住宅が省エネ基準に適合」「一次エネルギー基準は各年度に供給する全ての住宅の平均で省エネ基準に比べ25%削減」とするが、当面一次エネ基準は「20%削減」とし、事業者の実態を踏まえ移行を判断する。
 賃貸アパートは年間1,000戸以上供給の事業者を対象とし、「目標年度2024年度以降」「外皮基準は各年度に供給する全ての住宅が省エネ基準に適合」「一次エネルギー基準は各年度に供給する全ての住宅の平均で省エネ基準に比べ10%削減」とする。建売戸建住宅のトップランナー基準は、現行の目標年度・水準を据え置く。

 中小工務店を念頭に、戸建住宅・小規模建築物の簡易な省エネ性能評価方法を追加。戸建住宅についてはウェブプログラムに加え、手計算ができる計算シートを作成する。共同住宅についても、住戸単位で評価していた外皮基準を住棟単位での評価を導入、一次エネルギー基準評価にあたっても共用部を評価しなくてもよいこととする。

 委員からは、政省令案が一般市民には理解しづらい表記となっていることから、パブリックコメントにあたっては、改正や数値がどのような意味を持つものなのかが理解できるような資料や解説を添付することや、簡易な省エネ評価手法が独り歩きしないよう配慮すべきといった意見が出た。

 10月24日の次回会合で、パブリックコメントへの対応を含めたとりまとめを行なう。


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