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民法改正の注意点などを解説/全宅連

 (公社)全国宅地建物取引業協会連合会と(公社)全国宅地建物取引業保証協会は9日、すまい・るホール(東京都文京区)で「ハトマーク不動産セミナー2019」を開催した。

 宅建事業者に周知すべき、19年4月発表の「不動産業ビジョン2030〜令和時代の『不動産最適活用』に向けて〜」や20年4月1日施行の民法改正に対応した契約書の作成について、国土交通省担当者や弁護士が解説した。

 不動産業ビジョンが示す不動産流通業の役割として、的確な情報提供、コンサルティング能力の強化、地域活性化への取り組みを挙げた。不動産業課不動産業課長の須藤明夫氏は、「基幹産業である不動産業は今後10年でさらなる発展が期待されている。ビジョンにより行政と事業者が共通の将来像を持つことで、発展に向けた取り組みを加速させたい」と話した。

 民法改正の解説では、売買契約においては、「契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)」への理解がポイントになると、深沢綜合法律事務所の柴田 龍太郎氏が指摘。契約不適合時の売り主や宅建事業者の責任範囲、契約書における特約の設定方法など、具体例を用いて注意点を説明した。同氏は「業界をあげて契約書を切り替えていく必要がある。これまで真面目に営業していた事業者の方も契約書が対応していないと、責任を問われる可能性がある。皆さんで周知していってほしい」と話した。

 冒頭、両会の業務執行理事の千振和雄氏は「不動産業を取り巻く環境は、少子高齢化・人口減少に直面し、空き家数は847万戸、所有者不明土地は410haに及び、今後その数はますます増えていく。一方で、AIやIoT等の新技術の活用が業界の活性化において不可欠といわれている。こういった状況の変化にいかに対応していくのか、当セミナーで得た知識を実務に生かしていただきたい」と挨拶した。


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