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ロジスティクス事業、タイへ進出/三井不

「海外では大きな用地を仕入れられる。公園併設など、まちづくり型の物流施設を開発してきたい」と語る同社常務執行役員ロジスティクス本部長の三木孝行氏

 三井不動産(株)は5日、まちづくり型ロジスティクスパークの旗艦事業「MFPL船橋」(千葉県船橋市)の開発進捗状況について記者会見した。

 「MFLP船橋」は、約70万平方メートルの敷地に3つの物流施設と、付帯施設、緑地空間を整備する複合開発。「MFPL船橋I」はすでに稼働。「II」、付帯施設「&GATE」が10月に竣工。2021年6月に「III」、緑地空間も完成する計画。

 「II」(地上8階建て、延床面積約22万4,834平方メートル)は、物流業界の課題である労働力不足の解消に向け、倉庫内を含む全館空調設備やパウダールーム、開放感のあるスカイデッキなど、従業員満足度を高める環境を整備。顔認証システムの導入等、セキュリティも強化した結果、現時点で8割程度契約済みで、年内には満床を見込む。  

 同時に竣工した「&GATE」は、カフェテリア、保育施設、フィットネス等を備えた施設。物流施設勤務者に加え、地域住民にも開放する。20年2月には物流施設に関わるAI・ICT機器のショールーム「MFLP ICT LABO 2.0」を「I」から移転。面積を、従来の約132平方メートルから10倍に拡大し、入荷から出荷までの物流業務フローを自動化したフルオートメーション物流モデルを展示。庫内従業員不足を解決するソリューションを提供する場としていく。

 9月からは、「III」(地上8階建て、延床面積約26万8,400平方メートル)の開発を推進中。合わせて整備する約2万平方メートル規模の緑化空間には、国際スケート連盟基準に準拠したスケートリンクを誘致することが決まっているという。

 なお会見では、この他の事業計画も発表。国内では、「海老名」(22年春竣工)、「八千代勝田台」(20年8月竣工)、「鳥栖」(21年3月竣工)、「所沢」(21年5月竣工)、「大阪交野」(21年9月竣工)の開発に着手。
 また、タイでは物流事業初となる海外事業も決定。現地総合ディベロッパー「Frasers Property Industrial(Thailland)Company Limited」と共同で、2つの物流施設を開発する。総敷地面積約54万平方メートル、総延床面積約25万平方メートル、総投資額約185億円。22年に完成する予定。

 これらの計画を含め、同社の物流施設は、国内外40施設、総延床面積約360万平方メートル、総投資額約5,700億円となる。同社常務執行役員ロジスティクス本部長の三木孝行氏は、「まちづくり型で開発した船橋は、地域の方からの反響も高い。もともと、当社ではあらゆるアセットで、“まち全体の価値をあげて活性化すること”を重視している。海外計画も含め、今後もまちづくり型の物流施設を開発していく」などとコメントした。


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