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推進C、職業倫理の重要性テーマにセミナー

パネルディスカッションの様子

 (公財)不動産流通推進センターは14日、「不動産業におけるコンプライアンス(職業倫理)確立に関する講演会」を開催。約250人が参加した。

 講演会では、郷原総合コンプライアンス法律事務所弁護士の郷原信郎氏による講演、三井不動産リアルティ(株)の元代表取締役社長・会長で、現(株)アトリウム代表取締役会長の竹井英久氏、(株)ウィンズワン(さいたま市大宮区)代表取締役で、同センターの登録実務講習の講師も務める平野 真奈美氏、明海大学不動産学部長の中城康彦氏ら有識者5人によるパネルディスカッション等が行なわれた。

 郷原氏は、「コンプライアンス=法令順守ではない」と指摘。その理由を「必要とされているコンプライアンスに法律が追い付いていない場合があり、そこにとらわれると危険。組織が社会の要請に応えるという意識が重要」と説明した。過去の企業によるコンプライアンス違反の事例を挙げ、「コンプライアンス問題は、社員個人が利益を追求した『ムシ型』、構造的要因によって恒常的に続けられている『カビ型』が挙げられる。後者は、社員が問題に気付きながらも見直しに踏み切る勇気がなく、そのままとされていることが多い。内部監査の採用など、健全に機能する組織作りが求められる」と話した。

 パネルディスカッションでは、不動産流通業界におけるコンプライアンスの課題について、竹井氏は「顧客に寄り添った高度な提案が求められる中、幅広い知識を有すること」、平野氏は「営業スタッフ一人ひとりの信頼感が重要。それぞれが高い意識を持つこと」、中城氏は「営業担当者をすべて有資格者にすること」をあげた。企業として必要な取り組みとして、「金融商品のように細かいルール設定が必要」(竹井氏)、「人材教育に費用を投下する意識を持つべき」(平野氏)などの意見があった。

 会の冒頭、同センター理事長の坂本 久氏は「透明性・安全性・信頼度の高いサービスが求められる中、このほど当センターが認定する、公認 不動産コンサルティングマスターと宅建マイスターの倫理規程の見直しなどを行なった。両資格者には高い職業倫理の意識を持ってもらいたい。業界全体にコンプラインスを徹底することの重要性を広めていきたい」などと述べた。

「当会が認定する資格者には高い職業倫理の意識を持ってもらいたい。業界全体においてもその重要性を広めていきたい」と話す坂本理事長


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