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19年のマンションPER、微減/東京カンテイ

 (株)東京カンテイはこのほど、2019年の「新築マンションPER」を公表した。新築マンションPERとは、新築マンション価格が同じ駅圏の分譲マンション賃料の何年分に相当するかを求めた値で、マンション価格の割高・割安を判断する一つの目安となる。

 19年の新築マンションPERは、首都圏平均で24.36(前年比0.6ポイントダウン、対象184駅)と、4年連続で24ポイント台を維持した。分譲マンションの平均賃料(70平方メートル換算)が25万142円(同3.5%増)と、引き続き上昇したのに対して、新築マンションの平均価格(70平方メートル換算)が7,308万円(同0.5%減)と下落に転じたことで回収に要する期間は前年に比べて0.6年短くなった。

 各駅のマンションPERをみると、賃料見合いで新築マンション価格が割高であるPER24以上や同22以上24未満の駅がエリアを問わず広く分布しており、価格高騰が都心部に限らないことが分かる。強い割安感を示すPER18未満は都心部でも確認することができるが、例えば「浜松町」は大手ディベロッパーの駅近タワーマンションから高額な賃料事例が発生したためであり、また「勝どき」も選手村が周辺相場に比べて割安に分譲されたこと等が影響したため。比較的強い割高感を占めるPER24以上や22以上24未満の合計シェアは依然全体の4分の3を占めている。

 首都圏全域にわたって大手ディベロッパーにより寡占化が進んでいる状況に変化はみられず、同社では「基本的にはエリアを問わずマンションPERが高い状況は今後も続く可能性が高い」としている。

 近畿圏のPERは平均22.53(同0.32ポイントダウン、対象105駅)と前年から低下し、13年以来の上昇傾向に歯止めがかかった。PER24以上の割合は28.6%(同4.4ポイント減)となった。

 中部圏のPERは平均22.26(同0.16ポイントアップ、対象40駅)と上昇し、緩やかながら賃料見合いでの割安感が年々薄れつつある。PER24以上の割合は25.0%(同6ポイント減)となった。


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