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郊外住宅地で3密避けた住民イベント/大和ハ

住民が三密を避けながら祭りを楽しんだ

 大和ハウス工業(株)が再生支援を行なっている大規模住宅団地「上郷ネオポリス」(横浜市栄区、868世帯)で22日、「街まるごと七夕祭り」が開かれた。

 同分譲地の開発・入居以来、40年超にわたって毎年実施していた「夏祭り」が、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて中止に。そこで、3密を避けながら代替となるイベントができないかと住民有志らと大和ハウスが共同で発案・企画した。

 旧暦の七夕に向け、事前に全世帯に対して笹と短冊を配布。多くの世帯で玄関や門扉、庭など外から見える場所に笹を飾ってまち並みに彩りを添えた。また当日は、地元の子供たちによる舞や太鼓の演技、住民手作りの山車が地域内を巡行。夜には花火も打ち上げた。住民も庭先や路上でソーシャルディスタンスを確保しながら見物するなど、3密を避けて祭りを楽しんだ。

 住民代表の吉井信幸氏は、「周辺自治会でも、夏祭りがすべて中止に追い込まれる中で、“何かできないか”と考えました。上郷ネオポリスは週刊誌などで『限界集落』と言われた住宅地ですが、住民と大和ハウスの力によって限界集落から脱却しようとしています」と語った。

 同社では今後、上郷ネオポリスの再生を進めるに当たり、こうした「ウィズコロナ」を見据えた取り組みを進める。大和ハウス工業ヒューマン・ケア事業推進部副理事の瓜坂和昭氏は、「もともと、住民同士のつながりやコミュニティ醸成のために『3密をつくる』のがまちづくりの根幹でした。今後は、インターネット環境を整備し、直接人と人が対面せずに交流できる地域的なコミュニケーションシステムを実装していきます」と語る。すでに、住民との打ち合わせに関してはテレビ会議システムを採用するなど、遠隔での定例会実施体制を整えている。

住宅街を巡行してきた山車に沿道の住民が水をかけて涼をプレゼント
多くの世帯が玄関先に七夕飾りを飾った。配布した際にしたちょっとした会話もコミュニティ形成に役立ったという


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