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水災害対策とまちづくりの連携についてとりまとめ

 国土交通省は31日、「水災害対策とまちづくりの連携のあり方について」(提言)のとりまとめを発表した。

 同省では、近年の水災害の激甚化や水災害リスクの増大を踏まえ、水災害に対するリスクの評価および防災、減災の方向背について検討するため、本年1月に「水災害対策とまちづくりの連携のあり方」検討会を設置。議論を重ねた上、提言内容をとりまとめた。

 提言では、(1)まちづくりに活用するための水災害に関するハザード情報の充実、(2)水災害リスク評価に基づき、防災にも配慮したまちづくりの方向性、(3)水災害対策とまちづくりとの連携によるリスク軽減方策、(4)取り組みを進めるための連携のあり方、の4つについてまとめた。

 (1)については、「降雨の規模や施設の整備状況等に応じた、多段的なハザード情報の充実」「簡易手法を用いたハザード情報の早期の作成・公表」等を挙げた。(2)では、「ハザード情報に加えて、ハザードエリア内の人口や都市機能、災害対策の実施状況等をもとにした、地域ごとの多面的リスクの評価」や「まちづくりを進める地域は、水災害リスクを可能な限り避けつつも、都市構造・機能上の必要性、都市の歴史的な形成経緯も考慮して決定する」等を提言した。

 (3)については、地域ごとの水災害リスクの評価内容、都市機能・防災上の重要性に応じた防災・減災対策の実施」や「まちづくりにおける防災・減災対策では地域のリスク低減に限界がある場合には、さらなる治水対策を検討」するよう、提言している。さらに(4)では「都市再生協議会や大規模氾濫減災協議会等の各種協議会の活用、関係者による情報共有・連携の体制の構築」や、「市町村を超えた流域・広域の観点からの水災害対策とまちづくりの検討」を挙げた。

 同省では今回の提言に基づき、水災害ハザード情報の充実や水災害リスクを踏まえて防災まちづくりを進める考え方、手法を示す「水災害リスクを踏まえた防災まちづくりのガイドライン」について、21年3月を目途にとりまとめを行なう予定。


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