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「ニューノーマル」でのまちづくり、方向性をとりまとめ

 国土交通省は31日、「ニューノーマル」に対応したまちづくりに向けて、「新型コロナ危機を契機としたまちづくりの方向性」をとりまとめ公表した。

 6~7月にかけて、都市再生や都市交通、公園緑地や都市防災のほか、医療、働き方など、さまざまな分野の有識者計61名に個別ヒアリングを実施。地方公共団体、都市開発・公共交通・情報通信関係事業者にもヒアリングした。

 そこで出た意見を踏まえ、都市の持つ集積のメリットは生かして、国際競争力強化やコンパクトシティなどは引き続き進めつつ、「三つの密」の回避が必要だと提示。今後の都市のあり方にどのような変化が起こり、都市政策はどうあるべきかについて論点を整理し、「都市(オフィス等の機能や生活圏)」「都市交通(ネットワーク)」「オープンスペース」「データ・新技術等を活用したまちづくり」の今後のあり方と新しい政策の方向性、および「複合災害への対応等を踏まえた事前防災まちづくり」の新しい政策の方向性を示した。

 「都市(オフィス等の機能や生活圏)」に関しては、複数の用途が融合した職住近接に対応するまちづくりを進めることが必要であり、働く場所・住む場所の選択肢が広がるよう、都市規模の異なる複数の拠点が形成され、役割分担をしていく形が考えられるとした。大都市は、クリエイティブ人材を惹きつける良質なオフィス・住環境を備え、郊外、地方都市は、居住の場、働く場、憩いの場といった機能を備えた「地元生活圏」の形成を推進。老朽ストックのサテライトオフィス等へのリニューアルや、ゆとり空間、高性能な換気機能を備えた良質なオフィスの提供の促進が重要だとした。

 「オープンスペース」については、運動不足の解消・ストレス緩和の効果が得られる場として、グリーンインフラとしての緑や、オープンスペースの重要性が再認識され、テレワーカーの作業場所、フィットネスの場所等利用形態が多様化。そうした変化を踏まえ、街路空間、公園・緑地、水辺空間、都市農地、民間空地など、まちに存在するさまざまな緑とオープンスペースについて、テレワーク、テイクアウト販売への活用といった地域の多様なニーズに応じて柔軟に活用することが必要であるなどと方向性を示した。

 また、「データ・新技術等を活用したまちづくり」については、人流・滞在データでミクロな空間単位で人の動きを把握することで、過密を避けるよう人の行動を誘導する取り組みが重要などと指摘した。


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