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国土管理構想、20年のとりまとめを公表

 国土交通省は19日、国土審議会計画推進部会国土管理専門委員会の2020年とりまとめを公表した。

 同委員会では、16年9月より人口減少下における持続可能な国土の利用・管理を推進するための施策の在り方を検討している。17年のとりまとめでは、国土利用計画を活用して市町村レベルで地域構造の転換を図ることを提言。18年は第2次国土形成計画や第5次国土利用計画(全国計画)を踏まえて地域における取組事例から得られた教訓について分類・整理した。19年については、地域での取り管理の在り方を検討するための管理構想の基本的な枠組みを示した。

 今回のとりまとめでは、現時点で土地利用・管理の課題が深刻化していない地域においても、中長期的な視点から課題が深刻化する可能性があるという視点に立ち、都市郊外部の宅地を中心とした地域に着目して課題を整理した。都市郊外部の宅地を中心とした3地域において現地調査を実施。空地・空き家における越境枝やハチの営巣など、隣接家屋等への悪影響が課題として挙がった。また、空地率・空き家率の高い地域では、植物の繁茂によって道路に影響があったり、法面崩壊などの災害リスク増加といった問題も明らかになった。

 さらに、検討対象を拡大し、宅地・農地が混在する地域と平野部の農地を中心とした地域について調査して課題を整理した。

 これらの課題整理を踏まえ、19年のとりまとめで示したそれぞれの地域において地域管理構想策定の適用可能性についても検討。地域全体におよぶ課題や地域で共有する土地・施設に関する課題がある場合、地域管理構想が有効な可能性を指摘。また、自治機能が未成熟な地域では支援が必要であるとした。

 今回のとりまとめを受け、21年の同委員会では、地域管理構想や、国・都道府県・市町村による管理構想について詳細を検討する予定。


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