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UR都市機構がWebでシンポジウム開催

 (独)都市再生機構(UR都市機構)は20日より、「令和2年度 URひと・まち・くらしシンポジウム」をWebで開催。26日まで登録制による無料配信を行なう。

 今回のテーマは、「これからのまちと暮らしをデザインする」。開催にあたり、同機構理事の新居田 滝人氏が「ウィズコロナの時代だからこそ、団地の環境や人々の交流を大切に、多様な世代がいきいきと暮らし続けることのできるまちづくり、住まいづくりを進めていく必要がある」と言及。「テレワークの普及により、近郊都市や地方都市の役割が大きく見直されようとしている。その支援を進めたい。また、津波防災や密集市街地整備といった、安心・安全なまちづくりと持続可能な社会の実現に貢献していく」と話した。

 基調講演では、九州工業大学大学院生命体工学研究科教授の柴田智広氏、建築家で東 環境・建築研究所代表の東 利恵氏、新居田氏が、それぞれの活動について発表。柴田氏は、「ロボットや人工知能による介護イノベーション」の取り組み、東氏は自身が手掛けた集合住宅や商業エリアの整備、新居田氏は「オープンスマートUR」の取り組みを披露した。
 また、東京大学大学院新領域創成科学研究科教授の出口 敦氏をコーディネーターに、パネルディスカッションも実施。これからのまちや暮らしのデザインの方向性について「独創から共創への転換により、アイディアや技術を現場、社会とつないで新しいサービスを生み出していくことが重要」(柴田氏)、「人のQOL評価が見え、次のデザインにつなげていくことに力点を置かなくてはならない」(東氏)と提案。コロナが及ぼした影響については、「ロボットの使用が加速していく。高齢者や障害者などの自宅のインターネット環境が整っていないことも顕在化した」(柴田氏)、「技術の革新によって生まれた利益を生活の質の向上に使うべきだと痛感」(東氏)、「テレワークの普及により、郊外・地方拠点の強化が必要。グリーンインフラの重要性も」(新居田氏)と述べた。出口氏は、「技術革新が効率化・利便性をもたらしてきたが、それを人のQOL向上に使うべき。“共創”の思想で、プロセスを重視したデザインに取り組んでいくことも重要」と締め括った。

 同機構が取り組む事業(5事業)・研究(8研究)報告も実施。学生居住による団地活性化、頻発する豪雨災害からの迅速な復旧・復興まちづくりの取り組みや、団地づくりのノウハウと地域のニーズを融合した「災害公営住宅」、UR団地建物における大地震への備えといった研究報告がなされた。


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