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既存戸建て成約件数、3年連続の増加/近畿レインズ

 (公社)近畿圏不動産流通機構は25日、2020年1年間および10~12月期における近畿圏の不動産流通市場動向を発表した。

 同年の中古(既存)マンションの成約件数は1万6,862件(前年比5.6%減)と、4年ぶりに前年を下回った。新規登録件数は6万5,538件(同0.9%増)と、ほぼ横ばいながら6年連続で増加。機構発足以来最大となり、取引増・売出減の状況で市況は改善している。平均成約価格は2,337万円(同1.1%上昇)と、8年連続のプラス。新規登録価格は2,464万円(同4.9%上昇)と、3年連続で前年を上回った。

 既存戸建住宅は、成約件数1万2,803件(同0.9%増)と、横ばいながら3年連続の増加。00年以降で最大となった。新規登録件数は5万3,571件(同4.8%減)と、3年ぶりに減少。既存マンション取引は減少に転じたが、ほぼ実需の既存戸建取引は増加を維持し、コロナ禍でも比較的堅調さを維持した。平均成約価格は1,867万円(同1.3%下落)と、2年連続のマイナス。新規登録価格は2,504万円(同1.5%上昇)と、5年連続のプラスとなった。

 10~12月期の既存マンション成約件数は4,505件(前年同期比1.1%増)と、2期連続の増加。7~9月期に続いて前年同期を上回った。一方、新規登録件数は1万4,978件(同7.9%減)と減少。取引は比較的堅調に推移したが、市場に売り出される物件の減少率は拡大し、コロナ禍以降の売り主側の様子見姿勢が強まっている。平均成約価格は2,383万円(同4.1%上昇)と、2期連続のプラスに。新規登録価格は2,496万円(同4.0%上昇)と、12期連続で前年同期を上回った。

 既存戸建住宅は、成約件数3,308件(同3.5%増)と、2期連続の増加。新規登録件数は1万2,154件(同15.0%減)と、2ケタ減となった。平均成約価格は1,909万円(同2.1%上昇)と、3期ぶりのプラスに。新規登録価格は2,532万円(同2.8%上昇)と、20期連続で前年同期を上回っている。

 今後の見通しについては、取引が大幅に落ち込んだ20年4~6期のような仲介営業の自粛などは行なわれておらず、商業・業務系など他の不動産セクターに比べて居住目的の取得需要は顕在化しており、既存取引への影響は軽微なものにとどまると予想。ただし、コロナ禍の収束には時間を要するとみられ、経済活動の制約が長期化すると雇用や所得への影響が拡大することも考えられるとした。


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