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全宅管理、13のテーマでオンラインセミナー

 (一社)全国賃貸不動産管理業協会(全宅管理)は4日、「賃貸管理フェス2021」を開催した。13のテーマによるセミナーを無料視聴できるオンラインイベント。

 オンライン内見サービス等を提供する(株)Tryell代表取締役の大住憲司氏は、IT重説やVR内見の最新事例を紹介。「コロナ禍において、IT重説やオンライン内見は19年比で約40%増加している」とし、実際に不動産会社で導入・活用された事例を披露した。同氏はIT重説について「来店での重説に比べ30分の時間を削減することができ、他の業務投資に回せる」「時間・場所の選択肢が増え、土日の来店を優先できる」などのメリットがあるとした。オンライン内見では、問い合わせの多いクレームをQ&Aとして動画マニュアルにした事例や、実際に現地に行かないと分かりにくい部分を動画で紹介した事例を紹介。架電数の削減や、実際に住んでからのギャップをなくすための施策として有効であるとした。「IT重説、オンライン内見で効果をあげるために、顧客が利用する機器や場所、回線状況、カメラ・音声通話等のIT環境を確認しておくことが重要」(同氏)とアドバイスした。

 国土交通省不動産・建設経済局参事官の倉石誠司氏は、6月に施行する「賃貸住宅管理業法」に基づく「賃貸住宅管理業者登録制度」の業務管理者の要件や移行・指定講習等について解説。業務管理者の要件については、(1)管理業務に関する2年以上の実務経験+登録試験に合格した者、(2)管理業務に関する2年以上の実務経験+宅地建物取引士+指定講習を修了した者とする方針を示した。令和2年度までに賃貸不動産経営管理士試験に合格し、令和4年6月(移行期間終了)までに登録を受けた賃貸不動産経営管理士で、施行後1年の間に、新法の知識についての講習(移行講習)を受講した者についても、(1)と同等の者とみなすとしている。
 講習は、賃貸不動産経営管理士(令和2年度までに登録済み)に対する移行講習と、宅地建物取引士を対象とする指定講習を、国土交通大臣指定の講習実施機関が担う。令和3年度以降は、国土交通大臣の登録を受けた実施機関が登録試験を実施することを明らかにした。

 (株)宅建ファミリー共済は、火災、漏水・風水害等の事例を挙げ、保険の種類や加入の重要性を説明した。賃貸住宅における孤独死者の状況についても触れ、13年10月10日~20年8月の間で1,398件の事故を把握しているとし、年々増加傾向にあるとした。その割合は、男性84%:女性16%で、平均年齢は男性69歳、女性70歳。3日以内の早期発見は、男性33.8%、女性49.7%で、男性のほうが発見が遅れる傾向にあり、女性は2週間以内に83.7%が発見されている。
 また、賃貸オーナーによる早期発見対策として、「新聞の配達を入居条件にしている」「近隣入居者から情報が入るようにしている(洗濯物・窓の開け閉め・電気の点消灯等)」「賃貸住宅内でのコミュニティの立ち上げ」「更新のたび、緊急連絡先・身元引受人の確認を行なう」等の取り組みを紹介した。


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