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デジタル技術活用しコミュニティ活性化/大和ハ

 大和ハウス工業(株)は17日より、「緑が丘ネオポリス」(兵庫県三木市、約6,000区画)で空間拡張システムを用いたコミュニティ活性化に関する実証実験を開始した。

 同社がかつて開発した郊外型住宅団地「ネオポリス」(全国61ヵ所)の多くでは、住民の高齢化、人口減少、空き家・空き地の増加といった課題を抱えている。2023年11月に「緑が丘ネオポリス」で実施したワークショップでの住民との意見交換から、日頃の困り事の解決や新たな人間関係構築のための「コミュニティの場の創出」に需要があることが分かった。

 同社の実証実験では、空間拡張システムを用いることで、仮想空間の体験や遠隔地との空間共有を行なう。仮想空間の体験ではデジタル映像と自然音で仮想空間を再現する「XR技術」を採用。遠隔地との空間共有では複数のスピーカーやプロジェクター、ビデオ会議システムを使用することで、実寸大の映像や環境音を伝達する。

 本実験では、発話モニタリング用のマイクやカメラ、表情分析センサー、温湿度・CO2濃度センサーなどを設置し、来場者へのアンケート評価と各種センシングデータの相関関係を検証する。仮想空間の体験や遠隔地との空間共有をするときとしないときの来場者の滞在時間、居場所の選択、世代間交流の発生状況などの傾向を確認する。

 今後は空間内の様子を捉えたセンシング結果をデータベースとして蓄積・分析し、地域コミュニティの活性化に寄与するための建築とデジタル技術を融合した空間拡張システムの開発を目指す考え。

 実証期間は25年春までを予定している。

空間拡張システム


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