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営業収益4期連続で過去最高/東建20年12月期

 東京建物(株)は12日、2020年12月期決算(連結)を発表した。

 当期(20年1月1日~12月31日)は、営業収益3,349億8,000万円(前期比3.7%増)、営業利益496億3,100万円(同5.3%減)、経常利益470億7,200万円(同5.5%増)、当期純利益317億9,500万円(同6.7%増)。

 ビル事業やその他事業における投資家向け物件売却は増加したものの、分譲マンション売上の減少やコロナ禍でのホテル・商業施設の賃貸収益減少、駐車場・リゾート施設の稼働低下、本社移転に伴う全社コストの増加等の結果、増収減益となった。一方、子会社株式譲渡益の計上等により、経常利益・当期純利益は増益。営業収益は4期連続で過去最高を更新、当期純利益は5期連続で増益となった。

 ビル事業は、「Hareza Tower」(東京都豊島区)など新規・通期稼働物件による収益の増加や、投資家向け物件売却が寄与。営業収益1,445億5,400万円(同19.5%増)、営業利益404億2,400万円(同9.0%増)を計上し、増収増益となった。
 空室率は、9月時点の1.3%から12月末時点で2.3%と若干上昇傾向。同日会見した同社取締役専務執行役員の和泉 晃氏は、「コロナの影響というよりは、通常業務の範疇。目立つ解約はなく、空室が出た分についても引き合いはいただいており、現状、それほど心配はしていない。今後のマーケットについては、弱含みで注視すべきだとは考えている」などと述べた。

 住宅事業は、前期における高収益タワーマンション計上の反動や、分譲マンション計上戸数が前期の1,315戸から1,196 戸に減少したことなどにより、営業収益991億6,400万円(同24.5%減)、営業利益71億9,400万円(同54.6%減)と減収減益。一方、分譲マンションの粗利益率は、過去2年と比較して下がってはいるものの、22.4%と引き続き高水準を維持した。12末時点の竣工在庫は177戸。コロナ禍で郊外物件の販売が進み在庫減につながっている。来期の計上戸数はおおむね1,400から1,500戸程度を予定。

 次期は、営業収益3,550億円、営業利益540億円、経常利益480億円、当期純利益330億円を見込む。

 昨年策定した長期ビジョン、中期経営計画の初年度となった今期について、和泉氏は「発表直後にコロナ禍に見舞われたが、ホテル、商業施設等、影響を大きく受ける分野の売り上げに占める割合が相対的に小さく、影響は限定的。1年目の業績としてはまずまずで、中計を変更する必要はない。むしろ計画に沿って長期大規模開発を着実に、短期の回転型事業を積極的に行なっていく」などと話した。


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