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住生活基本計画、3月中旬にも閣議決定へ

 国土交通省は26日、社会資本整備審議会住宅宅地分科会(分科会長:中井検裕氏(東京工業大学環境・社会理工学院長))の55回目となる会合をウェブ形式で開催。パブリックコメントと都道府県意見聴取結果を踏まえた住生活基本計画(全国計画)の見直し案を示し、委員一同からの承認を得た。

 見直し案では、計画の目標である「新たな日常やDXの進展等に対応した住まい方の実現」「頻発・激甚化する災害新ステージにおける安全な住宅・住宅地の形成と被災者の住まいの確保」「子供を育てやすい住まいの実現」等を中心に追記が行なわれた。

 これらに関連して、施策の達成度合いを測る「成果指標」も、新たに「DX推進計画を策定し、実行した大手住宅事業者の割合(0%(2021年)→100%(26年))」「地域防災計画に基づき、ハード・ソフト合わせて住まいの出水対策に取り組む市区町村の割合(5割(26年))」「民間賃貸住宅のうち、一定の断熱性能を有し遮音対策が講じられた住宅の割合(約1割(18年)→2割(31年)」が加わり16項目となった。また、従前の「建替え等が行われる公的賃貸住宅団地(100戸以上)における地域拠点施設併設率」は建て替えからストック全体を対象とし、「29%(19年)→おおむね4割(31年)」に目標を変更した。

 計画案は同審議会への報告ののち、3月中旬の閣議決定を目指す。会合で挨拶した中井分科会長は「計画を見直してきた2019年から20年にかけては、新型コロナウイルス感染症の拡大や災害の頻発など、まさに住まいを取り巻く環境におけるリスクが顕在化した。これらを踏まえた計画案は時宣を得たものと評価されるはず。意欲的な成果指標も盛り込まれているので、国土交通省にはこれらの施策をしっかりと実行してほしい」などと語った。 


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