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SDGs推進に向け国産木材利用を促進する新団体

会見の様子。左からオープンハウス代表取締役社長の荒井正昭氏、三栄建築設計代表取締役社長の小池信三氏、ケイアイスター不動産代表取締役社長の塙 圭二氏

 (株)三栄建築設計、(株)オープンハウス、ケイアイスター不動産(株)の3社は13日、SDGs推進に向け、脱炭素社会の実現および持続可能な社会づくりを目的に、「(一社)日本木造分譲住宅協会」を設立した。 

 現在、戦後に植林された森林資源は利用期に達しているが、多くの森林では健全な利用・管理がなされず、立ち枯れを起こして二酸化炭素の吸収量が減少。また、豪雨などの際に土石流を誘発し、周辺住民等にも被害を及ぼすケースがある。そこで、3社が協力して木造分譲住宅において国産木材を積極的に活用し、こうした課題の解決および高品質な住宅を普及するために、同協会の発足に至った。

 同協会では、林業関係者等に使用機器に関する講習等を通じた人材育成や、技術提供を図っていくほか、木材加工業者等と連携し、国産木材の適正価格取引を実現するために国産木材の新流通システムを構築。生産対価を適正に審査した上で、適正価格で購入できる仕組みを作る。さらに、他の木造分譲住宅メーカーにも参画を呼び掛け、住宅商品に国産材を活用してもらうことで、建築で使用した国産木材の調達分の100%、年間3万3,000本強の樹木を山に還元する植樹活動も行なう。

 そのほか、林業関係者等を対象に協会が認定するマイスター制度を創設し、安全でかつ安定的に収入が得られる働き甲斐のある社会を構築していく。さらに住宅メーカーには木材トレーサビリティが明確に分かる認証マークを付与した国産木材を使用してもらい、住宅購入者に安心・安全を提供していく。

 同日会見した三栄建築設計代表取締役社長の小池信三氏は、「2019年の多摩川の氾濫をきっかけに、森林保全の課題を知った。まずは3社で国産材を用いた木造住宅を供給し、ゆくゆくは建売メーカー等の参加企業や団体を増やして、建売住宅業界全体でこの活動を推進していきたい。また、建売住宅は品質が悪いというイメージがあるが、高品質な住宅提供にも取り組むことで、そうしたイメージの払拭も図っていく」などと抱負を述べた。


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